どんな旅も3つの領域で展開する。内面の旅、時間の中で進行する旅、空間を移動する旅だ。空間の旅は感覚を満足させ、時間の旅は経験を豊かにするが、人間を変えうるのは内面の旅だ。だが、人間は世界の行方を変えられるだろうか? 本作の登場人物たちは冒険に出発し、偶然に導かれて小さな物語がよせ集められ、しまいに全体の変転をもたらす。はらはらする螺旋のような語りを通してこれらの短編は、私たちが生きることになった複雑な世界に自問するよううながす。