見て楽しむ本。見開きページに描かれた絵だけで、緑豊かな場所を楽しく散歩する少年の様子を語る。人生に喩えた物語で、長い道を行き、深い茂みを横切り、奇妙な場所を上り下りして主人公がたどる行程には、見えている通りのものは何もない。好奇心と幻想に満ちた冒険へと誘う1冊。シンプルだが独創性に富む、驚くような輝かしい物語で、何よりも溢れるような豊かな色彩と紙面に感じる筆遣い、細部にこだわりながらも量感のある絵に引き込まれる。予想もつかない結末を迎える視点の遊び。子どもは本来とは異なる空間に入り込むが、記憶にはあらゆることがぎっしり蓄えられている。主題:人生のメタファー