Kalandraka Editora
カランドラカ
出版社
1998年設立のカランドラカは芸術的にも文学的にも最高品質の作品を提供することを目的としている。オリジナル絵本、昔話の再話、児童‧YA文学の名作の復刊を中心とした、バラエティに富む既刊本の多くが入手可能。
ウサギのシモンはニンジンをたくさん植えた。だが、だれかさんはレタスを、だれかさんはトマトを、だれかさんはナスを植えたらいいと言うものだから、畑はどんどん大きくなって、野菜だけでなく、ネズミ、めんどり、子ヤギ、子ブタ、キツネなど、農夫たちでいっぱいになる。共同作業や、自然とふれあい、調和を保って共生することのすばらしさをうたった、第10回コンポステラ国際絵本賞受賞作。イラストは、物語の舞台にふさわしい黄土色とオレンジを基調とし、スミの型押しのテクニックを用いて描かれている。登場人物や農具の一部や全体は、対応するスタンプを押して表され、創作過程は非常に手がこんでいる。
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児童書・YA
シモンの畑
La huerta de Simón
ロシオ‧アレハンドロ
Rocío Alejandro
Kalandraka Editora
新しい妹か弟がやってくるのを知って、主人公の子ウサギは好奇心をかきたてられる。3段階の繰り返しを特徴とする、幼い読者向けのお話。子ウサギは、妹か弟はいつ生まれるのかとお母さんにたずね、次に森の住人たちにうれしいニュースを伝えては、生まれてきたらどうやって一緒に遊んだらよいかとたずねる。やさしさ、連帯感、喜び、感動、そして最後の驚きなど、さまざまな感情がいきかう物語が、ぎざぎざして図案的でくっきりした線と、白地にやわらかなトーンの水彩を用いた絵で描かれる。普通の場面はカラーで、おにいちゃんになるための準備をする主人公の夢や願望の場面は白黒で描き分けられている。
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児童書・YA
もうひとり
Uno más
オラリャ‧ゴンサレス文
Olalla González Paz
Kalandraka Editora
人生を振り返る暴君、その権力を表した暗喩である本書には、フィクションと現実が混じり合う。主人公は世界でも稀な自分の個性をほめたたえ、協調性を欠き、エリート主義を貫く。臣下への共感の欠如、文化に対する蔑視、そして自分が宇宙の中心だとみなす思考で、完全な誇大妄想の持ち主となる。批判には耳を貸さず、対立する者皆に罰を与え、自分が憎しみの対象であると知ると、さらに誇大妄想が増幅する。しかし、予期せぬ結末が読者の認識を一変させる。どんな誇張もささいな逸話にすぎなくなるのだ。巧みな色使いで細密に描かれた具象的なイラストが、本書に登場するネズミ、キツネ、サル、ハゲワシなどといったキャラクターを絶妙に表現し、擬人化された情景の暴力性を際立たせている。
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児童書・YA
誰も俺様の#うには
Ninguén coma min
イグナシオ‧チャオ
Ignacio Chao
Kalandraka Editora
深い愛情に満ちた父娘を描くこの美しい物語は、たとえ目が見えなくても見えるものがあることを教えてくれる。暗闇に生きようとも視野が欠けていようとも充実した人生を送ることは可能だ。例えばこの本に登場する父娘は歩いて通う学校までの道のりを冒険の旅と捉えて楽しむ。町は勇猛な動物と魅惑的な音でいっぱいのジャングルに変貌するのだ。もっと住みやすく美しい世界を得るために互いを必要とする少女と父親、そのふたりの間にある優しさと互いを称え合う気持ちが伝わる作品。対話と内省的な語りを織り交ぜて物語が進行し、都会の風景のなかにマリア・ヒロンは愛嬌一杯で優しい野生の動物たちを住まわせる。主人公の想像の世界で一緒に通学する、愛すべき仲間たちだ。
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児童書・YA
私のガイド、私のキャプテン
Mi Lazarilla, Mi Capitán
ゴンサロ‧モウレ
Gonzalo Moure
Kalandraka Editora
ジャンニ・ロダーリ、トミー・ウンゲラー、アストリッド・リンドグレーン、フアン・ファリアス、クリスティーネ・ネストリンガー、ロアルド・ダール、グロリア・フエルテスをそれぞれ主役とする7つの物語。現代児童文学史の重要作家たちにささげた、夢のような作品。著者は、主人公となっている作家たちが長いキャリアを通して培った独自の空想力や創造性を使って物語を紡いでいる。それぞれの物語の元となるエピソードは、綿密な調査によって収集されたものであることが窺え、これらの作家の伝記や作品を読んでみようと読者を駆り立てる。ダビド・ピントールが描く登場人物の姿には、身体的な表現を超えた人間性の深みが反映されている。本書の主人公たちが本を通して世界中の人々に夢を見させた、あの幸福の魔法をかけられたような気になるイラストだ。
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児童書・YA
夢を開く7つの鍵
Siete llaves para abrir los sueños
アルフレド‧ゴメス‧セルダ
Alfredo Gómez Cerdá
Kalandraka Editora
アフリカに伝わる寓話。主人公である、世界で最も長生きで賢く、辛抱強い生き物が、いかにしてあらゆる動物を救ったかを描く。敏捷で抜け目ないウサギも、大きく威圧的なゾウも、サイも、チンパンジーも……、だれも伝えられなかった生き延びる方法を、ボアは知っていた。西洋の文化で危険や残酷さ、死を連想させる生き物だ。アフリカの伝承をもとにしたこの物語は、偏見を打ち崩すだけではなく、生物種間の均衡と調和を壊しながら、地球に住むほかの生き物たちに対して我々人類がはるか昔から握ってきた覇権に焦点を当てている。対話体をベースにした軽快なリズムの文体、プロットの巧みさ、行動の反復が、元になった口承伝説を想起させる物語。
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