バベルの塔の建設者のうちのひとりの息子パリム4世は、バビロニアの図書館の火事で生き残ったとき、自分は不死身だと意識する。それからはさすらいの人生を送り、ホメロスのギリシャ、フェリペ3世のスペイン、ロシア帝国、1920年代のパリ、幻想的で文化主義の作家に染まったブエノスアイレスへと赴く。読者はパリム4世に導かれて、ホメロス、ウェルギリウス、ダンテ、セルバンテス、シェークスピア、モリエール、ゲーテ、フローベール、ドストエフスキー、ジョイス、カフカ、フォークナー、ボルヘスなど、西洋文学の巨匠たちと出会い、その生涯や作品について詳しく知ることになる。主人公で物語のキーパーソンであるパリム4世は、これら巨匠たちと会話を交わしたり、働いたり、議論したりしながら創作の鍵やその天分をひもといていく。