知識のベールの下に神の言葉に背く迷信や異端を隠している、極めて危険な本というのがあるものだ。中でも特に邪悪とされたな1冊の本がある。数人の男たちがこっそり保管していたこの本を、異端審問所が血眼になって探すようになり、15世紀末、著作物とその所有者をめぐるものとしては歴史上最大規模の追跡が引き起こされた。この特別な本を守る男たちは、不運にもこの最後の1冊と運命を共にする。神が聖書に残さなかったものをすべて焼き尽くさんとする火の池から救いださなければならない本。史実とまったくの虚構をないまぜにしつつ、巧みな語り口で読者をぐいぐいひきこむ作品。