本当のことだといっても、あまり信用できないこともあるので、トラブルを避けるためには、もしかするとちょっとした嘘に頼った方がいいのかもしれない。しかし、それもまた説得力がないとしたら、もっと大きな嘘、つまり汚くて腐ったような嘘、とってもとっても大きな嘘をつくしかないだろう。でも、本当に本当のことは、どんなにありそうもないようにみえても、遅かれ早かれ明らかになるもの。大人は「いつも本当のことを言わなきゃダメ」と子どもに教えるのに慣れているが、子どもは空想や中途半端な真実で遊ぶのが好きで、すべて本当のことを言うのは必ずしも簡単ではない。この絵本のうそ・ほんとゲームで作者は、子どもたちが窮地に陥ったときに頼りがちな嘘のレパートリーを、物語と同様に魅力的でユーモアに満ちたイラストで巧みに表現する。