春のある日、ブタくんは、森でいっぷう変わった科学者、キャンベル教授とばったり会う。好奇心旺盛で積極的なブタくんは、教授の助手になって、大いなる科学の冒険について行きたいと思う。もちろん、教授の荷物だって持つつもり。
高名な教授は、ファミリーサイズの「無」のびんを手に入れる。中身はなんでもない、純度100%の無。教授がふたを開けると、無がびんの外に出て、だんだんとあらゆるものをおおっていく。無が入っていたびんも、ひと連なりのピリ辛ソーセージも、3時15分の急行列車も、アンドラーデ未亡人のユニバーサル・サーカスも、すべてをのみこんでいく。
教授はあっけに取られるが、探求心に満ちた科学者の性分から、この途方もない出来事を調査しようと、無の穴に入る決心をする。
「ブタにとっては小さなジャンプだが、人間にとっては大きな一歩だ」