桜の花がもう咲いている。桜の一族の人々が総出で小さな娘トモエを探すが、彼女はサクラの主にかどわかされ、山の一族で新たな人生を歩んでいた。師匠であるキヘイの保護下に入ったトモエの将来は、星が輝く夜のように前途洋々。ハルキが影となり、彼女に運命づけられたあらゆる不幸を自分に引き寄せ、死してなお彼女に付いていく。シオダは彼女の夫となり、山の一族を継ぐ。トモエは封建時代の厳しい名誉の掟のもと、やがて日出ずる国一の侍になると思われた。だが、武家の間で対立が勃発すると、関ヶ原の戦いで平和だけでなくトモエの夢も終わりを迎えることになる。そしてその時、報われぬ愛、孤独、憎しみ、義務感、自分の顔に浮かぶある印によって、彼女は自分が生まれるはるか前に星々で描かれた奇妙な計画を果たすべく動き出すことになる。