マリアの懐妊を知った時、ヨゼフの心によぎったのは何だったのだろうか? イエスの父親になるようにとの神の呼びかけを、彼はどう理解したのだろうか? 主のその呼びかけをどう経験したのだろうか? マリアとイエスと彼の関係はどうだったのだろうか? これらのすべての疑問には答えが無い。福音書にはヨゼフに関することはほとんど書かれていない。ただひとり、福音史家マタイだけがイエスの父親代わりとなったこの公正な男について素描している。けれども、御子イエスと聖母マリアの保護者となるべく神の呼びかけを受けたヨゼフの役割が容易ではなかったことは想像に難くない。著者はその心の内を覗き見ることができるように聖ヨゼフに声を与えた。この本を読むことでイエスの父親代わりを務めたヨゼフの人物像に近づけると同時に、彼が何をどのように経験したかを理解することができる。