熟年期における挫折、それが、20作の短編をおさめたセルジ・パミエスのこの新しい作品集の中心テーマ。個人及び集団をみまう不運、不運を乗り越えて生き延びる能力、不運によってひきおこされるあらゆる感情が、オブセッシブなスタイルで描かれる。このスタイルこそ、何千もの読者をひきつけてやまない、最近のパミエスの著作の特徴である。パミエス初の自伝的題材に基づく作品であり、ばかばかしくかつヒロイックな決意で必死にペダルを踏むが、いっこうに前に進まない登場人物たちを通して、生きることの困難さを浮き彫りにする。