Quaderns Crema
クアデルンス‧クレマ
出版社
CIF
A58525502
所在地
C/ Muntaner, nº 462, principal 2A. 08006. Barcelona (España)
当社の歴史は1979年、ジャウマ‧バイコルバがカタルーニャ文学のインプリント、クアデルンス‧クレマを設立したときに始まった。2014年からは、横断的考察の場を作りつ ける意思はそのままに、サンドラ‧オリョがアカンティラードとクアデルンス‧クレマの双方の指揮を執っている。
異なる舞台設定ながら似通った雰囲気が漂う4つの物語がクララ・パストールの小さな世界を作り出す。いくつもの道に枝分かれする記憶の回想と、最も近しい人々との間にできた大小の隔たりを縮めるために登場人物たちが手探りで行動するさまを、巧みに、そして繊細に描いている。家族の庇護と子供時代を過ごした家庭は、大人が人生に失望したときに逃げ込める懐かしい思い出の場所となると同時に、目に見えない蜘蛛の巣にもなるのだ。しんみりと、どこか懐かしさを思わせるこれらの物語は、共有する秘密を話すような親しさで読者に語りかける。
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文学
夜明けの声とその他の物語
Voces al amanecer y otros relatos
クララ‧パストール
Clara Pastor
Quaderns Crema
細やかな心理描写の11の短編で、クララ・パストールは特異な宇宙を見せてくれる。地理的な位置はあいまいだが、的確な雰囲気のなかに、登場人物の微妙な心理が見てとれる。主人公が子どもの場合は別だが、収録された物語の多くで、主人公が気づかないうちに欲望が生まれて死んでゆく。主人公は外見の落ち着きを保とうとするが、なかなかそうはいかない。流れるような自然な散文とともに、物語の筋の動かし方の巧みさを楽しめる美しい本。ほのめかされ、想像力と感性にゆだねられるすべてが読者を魅了する。
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文学
すばらしい隣人
Los buenos vecinos
クララ‧パストール
Clara Pastor
Quaderns Crema
繫栄を極めた、西洋のとある国際的都市で不思議な現象が起こる。初めは不愉快な偶然の出来事としか思われなかったが、間もなくそれが悪意のある脅威に変わり、市民の心の内にある確信が覆される。社会全体に影響が及ぶこの現象を皮切りに、著者は密告、恐怖、疑念、はたまた略奪や魔力、迷信などにより社会が腐敗していく過程を描きだす。混乱の中、神話的絵画をゆったりと修復するような時間の流れの中で、ひとつの愛が静かに生まれる。芸術家はオルフェウスとエウリュディケのために別の運命を夢見るよう、大胆にも観客にさそいかける。
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文学
悪の理
La razón del mal
ラファエル‧アルグリョル
Rafael Argullol
Quaderns Crema
「ピッシンボニ家の人々はだれにも好かれていなかった。丘の上の蔦の絡まる家に住んでいたが、他の家々からあまりに離れていたので、村の外に住んでいると思われるほどだった。兄弟が大勢いたが、家長のイグナシオと妻のマルティナがまだ生きているのか、だれも知らなかった。村で姿を見かけることもなかった。村人たちから忘れさられ、だれからも心配されなかったし、彼らのほうも、村人のことを考えることもなければ、だれかに好意をいだくこともなかった」ソニア・エルナンデスの驚きに満ちたこのカフカ調のこの物語はフィクションの限界に果敢に挑み、自由についての美しいメタファーとなっている。
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文学
ピッシンボニ家の人々
Los Pissimboni
ソニア‧エルナンデス
Sònia Hernández
Quaderns Crema
ノスタルジーは、戦いを挑むべき蜃気楼だと著者は書く。ノスタルジーは過去を理想化し、実際はなかったものの形をとらせようと絶えず私たちに迫ってくるからだ。だから。本書は、作者マソリベルによって再構築された不穏な記憶の書だ。盲人の語りはストーリーの形をとらず、地滑りのようになだれ落ちてくる活き活きとしたイメージ群だ。思い出や幻想、胸を引き裂く場面。時間のない無為の中にいる男は、死の世界から語るように、その明晰な頭に去来するイメージをくりだしていく。作者は本書において、知人と敵、求めた愛と求めざる愛をたしなめ、時の経過や、迫りくる旅の終点を受け入れることを伝えている。
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文学
窓辺の盲人
El ciego en la ventana
フアンアントニオ‧マソリベルロデナス
Juan Antonio Masoliver Ródenas
Quaderns Crema
本書Cançons d'amor i de pluja(愛と雨の歌)に収められている25の物語は、熟年の傷つきやすさとくだらない習慣に関しての想いと考察がアンサンブルのように構成されている。セルジ・パミエスは簡潔で力強い文体で、典型的ロマンチシズムの紋切型と、感情的心気症の束縛を解釈しなおす。浄化され抑制された散文と文体が、辛辣さとバイタリティとメランコリーの間でのバランスを模索する。パミエスはこれらの手段を使って、愛のよどみ、受け継いだ記憶への従属、いなくなった人たちにまつわる痛み、作り話と自伝の境があいまいなまま書く喜びに浸る。
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