ビセンテ・フリーマンは新入りだ。新しいところに来るのはこれが初めてではないので、それほど心配はしていない。しかし今回は違う。今回はバルバラがいる。「ガーディアン」のボスだ。あるいは、そう彼女は思っている。それに「アパッチ」もいる。この地区で恐れられているワルどもだ。皆がビセンテに何かを求めている。でも、何を求められているのか、彼自身はよくわからない。おまけに彼はくさくさしている。ビセンテ・フリーマンが本当は何者か、今こそ示す時だ。2016年バルコ・デ・バポール賞受賞作。