移民という現象にジェンダーの視点から統合的アプローチを行った作品。大きな不均衡が存在するこの世界の人間開発を巡る女性と移民が果たす役割を、移民受け入れ社会という背景におけるその優れた社会的機能について示しつつ論じている。本書において、フィールドワークは、現象に対する過度なエスノセントリズム的な解釈を避けるために、現実から切り取られた側面を示し、かつ、当事者にとっての移民の意味をより深く理解できるよう提示される。ここに記された事例や結果は、体系的な現象学モデルの原理を基礎とし、なおかつ蓄積された専門的経験の成果である。さらに、これに付け加え、グループで実施した5つのケースの進展について記載することにより、前述したモデルをさらに深いところまで掘り下げる提案も行う。