メノルカ島のシウタデリャ。マリア・メデムが産休を終え地元警察の刑事の職に戻った時、70歳代のふたりの女性の殺人事件が起きる。遺体が発見されたそれぞれの住まいには3つの共通点があった。ミント系の強い匂い、パソコンから繰り返し流れるラファエルの同じ楽曲、そして隅々まで片付いた室内。バルセロナ警察の殺人課にいた経歴を買われ、マリアはこの難解な事件の捜査を任される。夫が仕事の都合で家を留守にすることが多い中での育児と仕事の両立、なぜか現れる、マドリード本部殺人課所属の謎めいたロベルト・リアル捜査課長。しかしそんなことはマリアの一番の心配事からすればどうでもよいことだった。