80人のコロンビア人がパリの街角で出会い、いきなり熱をおびた会話が始まる。60年代の革命運動を背景に、特に、これまで文学では語られてこなかった、フロイドやサルトルやマルクス主義に傾倒するコロンビア人たちを通して、物事のはかなさ、死にあたって見える生の広がり、すぎゆく世代などが見えてくる。世界が、時とともに償いの場となるようすが描かれるが、そこでは、陽気な再会の場として地獄があるという約束だけが、唯一の出口となる。