ミゲル・パハレスは、気候変動で国を追われて難民となる人々をどのように考慮するかというジレンマを掘り下げる。本書は、気候変動に関するふたつの章から構成されており、もっとも冷酷な移民反対論者の意見にも耳を傾けている。また、何十年も前から状況を知っていながら無責任に行動していた政府の消極的な姿勢を分析して憤慨する。気候変動の主な原因が豊かな国々の過剰生産と過剰消費だというのに、貧しい国々には悲惨な結果がもたらされ始めているのだ。新型コロナウイルス感染症は私たちの弱い部分をさらけ出したが、その脅威は、気候変動の脅威には到底およばない。著者は、アフリカやアジア、ラテンアメリカで起こった災害の詳細を私たちに教えてくれる。