世界最大の宇宙機関ナクサム・スペースは、時空をコントロールするための宇宙開発競争で勝利を目前にしている。しかし、ダウン症をもつ優秀な研究者が、この重要な開発競争で彼らを追い抜くことに成功する。シルビノ・プロベトゥスは、行方不明の伝説的科学者の息子で、数十年前に始まった秘密プログラム「時空侵入」部門の指揮をとる。シルビノ青年は、自分の過去に分け入る。そしてそこで、かつての想いがよみがえり、抑えることのできない疑念が生まれる。
28年が経ち、父の失踪の事実は不明のままだが、今、父の進歩的な研究と何が起きたかについての新たな手掛かりが現れる。過去を遡る一連の冒険を経て、助けを求める一本の匿名電話を受ける。それは、シルビノの人生と、多元宇宙の物理法則を永遠に変えることになる電話だった。