1820年、魅惑の人グロリア・カルバヨと、ホビノことガスパール・メルチョール・デ・ホベリャーノスの娘である、ピレネー娘ことアンドレア・カルバヨ・デ・ホベリャーノスは、異端審問官バルデスに執拗に追われ、今の場所にたどりつくまでの波瀾万丈の人生を記録にとどめておこうと回想録を執筆する。読者は、オビエドでの彼女の子ども時代を思いめぐらせ、オックスフォードに旅し、男装した彼女とともに、現代医学にとっての重大な発見の発表に立ち会っていく。パリではフェミニストのオランプ・ド・グーシュとともに革命の近くで生き、女性たちの権利のための闘争と印刷所の仕事に身を投じる。知的で教養豊かなアンドレアは、会合の常連、作家、翻訳家、教師、フェミニストとして、多方面のパイオニアだった。だがそのことをもってしても、あらゆる時代や場所で生きたほかの女性たち同様、彼女を歴史の表舞台にとどめおくことはできなかった。