本作は、ベルベル文化のユニークな世界から生まれた本。著者クリスティアン・クルサットは、驚くほどよどみなく、伝説、エッセイ、伝記、旅行記を組み合わせている。読者は、(一般的および地理的な)境界、多種多様な境界についての文章を前にすることになる。その文章の中で論説より優先されているのは、否定しがたい信念、文学は世界を映す真の鏡という信念だ。サハラから地中海にかけての北アフリカに住むベルベル族は、神秘の民族で、その起源はわからないことが多い。無数の方言に枝分かれした彼らの言語は、謎めいた文字で表現される。それはあまりに不可解かつ目を引くので、ホルへ・ルイス・ボルヘスの幻想短編小説から引用してきたように思えるほどだ。