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Editorial Pre-Textos

Editorial Pre-Textos

エディトリアル‧プレ-テクストス

出版社

CIF

22523260G

所在地

C/ Luis Santángel 10, 1ºC. 46005. Valencia (España)

ウェブサイト

1976年にバレンシアで創業以来、国際的な文芸書、思想書を刊行するという明確な使命感を持ち、途切れることなく活動を続ける独立系出版社。

草地を求めて移動し、ワニがうようよしている川を渡らなければならないヌーのドキュメンタリーは、おそらくだれもが見たことがあるだろう。毎年群れが通り過ぎたあとには必ず数匹が取り残されるが、ワニの飢えを和らげる、こういう犠牲がいるおかげで、群れは前進できるのだ。本書の登場人物たちも、そのような状況に置かれている。群れを渡らせるため自分が犠牲になるかもわからぬまま、ワニがひしめく水の中へ入っていくしかないヌーそっくりの状況だ。その多くは、青春期を通りすぎた大人である。遠くはなれて語られるこの群像劇の主人公たちの青春は、あきらめるしかなかった野心や、到達されなかった目標の中にあり、もはや郷愁をかきたてる無邪気な賞賛の対象でしかない。

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文学

ヌーの群れ

Una manada de ñus

フアン‧ボニリャ

Juan Bonilla
Editorial Pre-Textos

表向きの性質の裏に、謎めいた感覚、陰謀と知られざる関係が隠れ、時間は、それ自身に謎と確かさをはらんだ、別のリズム、別の秩序で流れていく。理性という拘束衣をはねのけて、アレックの死へとたどりつく出来事が謎に包まれていることをまずは認める必要がある。死という結末がなければ意味がなく、おそらくは記憶から消されていたであろうばらばらの出来事が、アレックの死によって完全に調和して整理された。暗い諦観とともに私は悟ったのだが、もしアレックが死んでいなかったなら、その消失を告げる兆候も現れていなかっただろう。なぜそう言えるかは、アレックの死そのものが実証している。

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文学

アレックの死

La muerte de Alec

ダリオ‧ハラミーリョ=アグデロ

Darío Jaramillo Agudelo
Editorial Pre-Textos

この美しいタイトルが語るように、愛はすべて、即興の真実で始まる。そこでは将来への期待と、過去を引き受ける必要性(それはいつも簡単とは限らない)が交錯する。クララは、一時的に言葉を失っているブルーノの病気を利用して、大人の愛の最初の数年についての研究に没頭する。目新しさだけではなく、避けがたい嫉妬、不安、好きになり始めた相手を手探りで発見していくことなどから、どのような関係が芽生えていくのか。 本書Una verdad improvisada (即興の真実)は、マリーナ・ツヴェターエワまたはナタリア・ギンズブルグといった20世紀の偉大な散文作家の持つ物語の鼓動と、読む者の心を無防備にさせる誠実さを持つ。カルメン・M.カセレスはこのデビュー作で、将来有望な新人というよりも完成した声として登場した。

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Carmen M. Cáceres著『Una verdad improvisada』の表紙
文学

即興の真実

Una verdad improvisada

カルメン‧M. カセレス

Carmen M. Cáceres
Editorial Pre-Textos

『沈黙のホテル』というこの暗示的なタイトルから、ハビエル・バスコネスは私たちを戦慄の極みに連れていく。真夜中にホテルの闇を切りさく子どもの泣き声よりも身に毛のよだつものがあるだろうか? しかし、この小説の一番の読みどころは、絶望する複数の人々の物語が織りこまれていることだろう。舞台は、子どもという最も弱く無防備な存在を被害者とする連続誘拐と殺人に震撼する都市。この街で登場人物たちは愛と自分自身を探し求める。解決することのできなかった辛い過去の物語を心にかかえた人物たちは、難破の連続の自分の人生をなんとか再建しようとする。

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Javier Vásconez著『Hoteles del silencio』の表紙
文学

沈黙のホテル

Hoteles del silencio

ハビエル‧バスコネス

Javier Vásconez
Editorial Pre-Textos

本作は、ベルベル文化のユニークな世界から生まれた本。著者クリスティアン・クルサットは、驚くほどよどみなく、伝説、エッセイ、伝記、旅行記を組み合わせている。読者は、(一般的および地理的な)境界、多種多様な境界についての文章を前にすることになる。その文章の中で論説より優先されているのは、否定しがたい信念、文学は世界を映す真の鏡という信念だ。サハラから地中海にかけての北アフリカに住むベルベル族は、神秘の民族で、その起源はわからないことが多い。無数の方言に枝分かれした彼らの言語は、謎めいた文字で表現される。それはあまりに不可解かつ目を引くので、ホルへ・ルイス・ボルヘスの幻想短編小説から引用してきたように思えるほどだ。

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Silvia Pratdesaba Lafuente著『Sujeto elíptico』の表紙
文学

省略された主語

Sujeto elíptico

プレ-テクストス

Silvia Pratdesaba Lafuente
Editorial Pre-Textos

偽りの伝統の断片を散りばめ、そこに一見相反するメカニズムを混ぜるボーダーレスな記述。読者が導かれるのは故意に歪められた非現実の日本だが、著者は発明や神話で彩られたその列島を庇護する。寓話、詩、物語風エッセイを集めた本書は、著者の個人的な歩みに時間、空間、様式、記録(仏教の経典からアニメーション映画まで)を組み込んだ奇想天外な旅だ。物語と余談、メモと注釈、詩とアフォリズムが荒唐無稽なモザイクを作り、ユーモアと神話、パロディーと崇拝をミックスしながら「師匠」と「弟子」の関係に切り込んでいく。

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ノンフィクション・その他

弓道の師の真実

Revelaciones de la maestra del arco

ハビエル‧ベラ

Javier Vela
Editorial Pre-Textos