この世にやってきたすべての恐怖心は、かたすみにみな身をよせあい、ちぢこまっている。しかし、その恐怖心はどこで生まれ、どこで死んでいくのだろう。恐怖心は何でできているのか。それらのことは、何もわからない。ただひとつ確かなのは、最も悪い瞬間に、恐怖心が表に出てくることだ。本書は、2010年の世界哲学の日にパリのユネスコで発表され、出版社のホームページでも配信されている。