ご存じだろうか。女児は6歳にして男児よりも頭が悪いと感じ、大学では男子学生は女子学生の能力を過小評価していることを。これらのすべては社会通念にとらわれた結果に他ならない。遊びや文化的環境が女の子、男の子それぞれの行動、表現、かかわり方に「〇〇すべし」という影響を与えている。子どもは性別に縛られることなく自由に感じ、表現し、行動したほうが良いのではないか。
ふたりの人間の間の愛情と共犯者意識が、これほど特別になったことはそうないだろう。あまりに特別なものだから、たったひとりであらゆる不慮の出来事や逆境にも対峙できると感じてしまうほどだ。100歳の祖母と無鉄砲な孫娘は、自分たちに譲渡された遺産の謎を解明するためならどんな障害も乗り越えようと心に決めている。現在の疑問を解き明かすために過去の原因を熱心に探り、想像できる限り最大の冒険に没頭するふたりの姿に、私たちは心のなかのもっとも気高く深い部分をゆすぶられ、夢を見て、微笑む。
バルセロナの中心部にある広いマンションを相続したクララ・ムンサルバッジャは、ここを仕事や恋愛、健康問題などで不運な目に遭っている女友だちが駆け込めるスペースとして使おうと決めた。夏が来てスペースが無人になったとき、向かいのマンションに謎めいたカップルが越してきた。ほどなくして、向かいからは絶えず大声で言い争う不快な声が聞こえるようになる。暴力沙汰になるのではないかという怖さ半分、ゲーム感覚半分で、クララは元恋人を呼び出し、この状況を《解決する》手助けをしてほしいと頼む。
ずるがしこさと権力、大切なのはどっち? 哲学者ラモン・リュイが考える、文学と人生の普遍的なテーマが描かれる。
おばけのウリオルとその友人たちは、とても心配な知らせを受ける。真珠捕りが住む遠方の島トムクがプラスチックのゴミに囲まれているというのだ。海の汚れによって、トムクの人々は潜水ができず、カメの生息が脅かされ、魚たちは深海に閉じ込められているのだという。島の住人や生き物たちの命が危機に瀕しているため、彼らは助けを求めることにした。リサイクルできないプラスチックの容器やボトル、袋が海にとどまり、地球の生命を脅かしているのだ。
「あなたの耳に入っているかどうかわからないけど、ロベルトが亡くなったの」。こんなふうに始まる、かつての同級生ロシオのメッセージを読んだとき、エレナはドキッとした。文学の教師に恋をしたと気づいたあの日と同じように。今は彼の死、そして思い出と対峙しなければならない。エレナは死がどんなものか知っている(両親は、それぞれ全く異なる状況で亡くなった)が、ロベルトの死はすべての亡者を揺さぶる。エレナは毀誉褒貶相半ばするグルメ評論家だが、今は途方に暮れている。
小さな村の暮らしは、奇妙なイグルーの出現で混乱し、様々な疑問がわき起こる。心の目で見ることを学ぶための物語。無関心に慣れてしまった世界で、連帯を呼びかける。連帯や相手への敬意など、大切な資質を賛美する。文章も絵も細部まで行き届いた本で、親が我が子と、人間として大切なものについて話し合うのに最適。読んで、意見を出し合うための本であり、幼い読者の知的好奇心をかきたてる。
ピラミッドは驚くべき建造物で、その起源は謎めいている。だがエジプトには他にも、知る人ぞ知るうっとりするような場所があるのだ。そのひとつがハワーラの迷宮。地中に埋もれた神秘的な構造物であり、そこには過去の大帝国にまつわる真実が隠されている。冒険好きのスペイン人考古学者ラウラ・ソウトと、その夫オマル・サリムは闇に沈んだその場所に隠された恐るべき秘密を発見しようとする。オマルはエジプト空軍に在籍していたヌビア人の元兵士であり、疲れ知らずの対テロ闘士だ。
この本は奥義を示すような大げさなものでも、複雑なマニュアルでもない。むしろその反対で、自分や他人の人生をよいものにする、シンプルで常にやさしい魔法を紹介している。遊びから始まり魅了され、目がくらむ、ひとりでも、また仲間たちとでも、読者は魔法の一番簡単で愉しく、身近な部分に入りこむことができ、これまで、そして今現在も魔法が本質的に重要な部分を占める様々な文化を発見することになる。
アウリアとスフォルツア王朝は自国の元老院内部で沸き起こる反逆を警戒している。帝王の命を狙う陰謀に加担する一族もあれば、変わらず忠実な一族もあり、混とんとした戦闘状態が引き起こされて、派閥同士の対立が勃発する。一方、帝王の安全保障を担当するノルミドン警備隊はどうやら消えゆく運命にあるようだ。3000年以上にわたって帝国を維持してきた王朝も、また。そこで血統を守ることが優先事項となった。それはノルミドンのファビオ・ベルトゥッチのみならず、歴戦の傭兵マキシモ・エレアサールにとっての大義である。