マリオが急死した。妻カルメンは通夜の夜、ひとり、亡き夫に向かって5時間にわたって語りかける。その間、マリオはじっと沈黙を守る…。しかし、彼は死んだからといって妻の独白に耳を傾けるのをやめはしない。肉体はないが、彼は完全に状況を理解している。そして今度はマリオが戻ってきて、夢の中でこたえる番だ。
娘たちは裏切られた。復讐を果たすまでは生き延びなければ…。王に仕える凄腕の暗殺者である3人の娘たち、カタリーナ、クリスタル、ルアンヌには他にも才能があった――特別な能力があるのだ。しかし、祝賀会で隣国の皇太子を暗殺するという最後の任務で、娘たちは裏切られたことに気付く。今や彼女たちは標的となったのだ。いつもはひとの命を奪うことにたけている娘たちだが、この絶望的な状況下ではたして自分たちの命を守り通すことができるのか?
本書は類まれな本だ。集団的記憶と、頑なに守られてきた個人の秘密の間で生き残った伝説が解き明かされる。1935年1月、サンタ・クルス・デ・ラ・パルマで、街中が大騒動となる悲劇が起きた。事件の手がかりと、家長ミスター・サバス率いるアーティスト一家・ジョルジェビッチ家一族の証言により、スペイン内戦中、内戦後のトティ・サーカスの紆余曲折が際立つ、壮大な家族史が読者の前に繰り広げられる。これは小説スタイルの年代記。物語とニュースを興味深く織り交ぜ、写真素材が添えられている。