ことわざや物語を集めた絵本。本書を通して子どもたちは、生きるために役に立つ80の価値と美徳に気づくことができる。
「わたしの街に、山高帽の7人男がいた。7人はいつもいっしょに散歩していた。まじめでしゃっちょこばっていて、黒い服を着て口ひげはくるんとカールしている。ある日風が吹いてきて、山高帽がひとつ、はるか遠くへ飛んでいった。帽子をさがす7人の前に、知らない世界が開け……」考え、笑い、また考えさせられる物語。ときどきわたしたちは知らない世界に行って、まわりの小さなこと、ふだんは気にとめないけれども、日々必要なささいなことを、もっと大切にすることを学ぶべきなのだろう。
SNSで話題になりベストセラーになった小説。事実に基づくストーリーが読者を魅了する。盲導犬の目を通して語られた友情と恋愛、克服のゆかいな物語。クロスは陽気で腕白な盲導犬。マリオは人生の道を切り開こうとしている目の不自由な若者。ひとりと1匹は強い絆で結ばれたチームだ。本書『僕の小さな目で』は、クロスが人間世界で引き起こす波乱に満ちたゆかいな出来事を語った感動的な小説だ。作者のオルティスもクロスと同じくらい腕白なスポックと言う盲導犬を持ち、本作で自身がよく知る現実を語っている。
10歳から12歳の読者の関心にぴったりあった、友情・変化・個人の成長の物語。登場人物とともに読者が発見しながら、一緒になぞを解き明かしていける、解決すべき悩みや困難な状況があるが、それを解決しながら登場人物たちが成長し成熟していく、迷いや恋愛など、思春期らしい感情がストーリーにあふれ、からみあう、数、空間、幾何学にかかわる、年齢相応の謎が筋の中で展開していくなど、ヤングアダルト小説の魅力となる要素が詰まっている。
「これまで、痛みに個性や表情があるなんて考えたことがなかった。痛みにこんなにもいろんな形があるなんて、ましてやあなたがそのひとつになるなんて、想像もしていなかった。だけど砂が指のあいだからこぼれ落ちていくように、あなたはわたしの夢から逃げ出し、しだいに見えなくなっていった。一秒ごとに少しずつ、あなたはわたしのものではなくなっていった。少しずつ、あなたを失っていった。死にかけている人がゆっくりと血を失っていくように、あなたはわたしの体からぽたぽた、ぽたぽたと流れ落ちていった。
……そして、人間が自分自身の運命の青写真をつくる機会を得る時が来て、対立が生まれた。テクノロジーと大企業の支配vs協力と自然との調和。全く相容れない2つの世界観が到達したたったひとつの合意は、今後二度と互いに接触しないこと。ミライ・シンコ-で、リアムはテクノロジーのユートピアがディストピアと化したのを直感し、皮肉と内省の間を揺れ動きつつ、大統領の養子という自らの恵まれた立場に立ち向かっていく。
20世紀後半のある時、手に深い切り傷を負った若い男、アルフレド・モンサルバジェスがニューヨークのとある病院に現れる。作家志望のこの外国人男性は、対応した看護師のジーン・ローゼンブルームから見ると、おとぎ話の王子様だった。アルフレドはじきに友人グループの中心になる。友人の目から見ると彼は、人生がなかなか与えてくれないものすべてをそなえた、何もかも解決してくれる魔法のような存在、つまり腹心の友であり、同僚であり、恋人だった。友人は4人。
フェイスは12歳。第1世界、アジアに住んでいる。目的は、人が訪ねてきたとき、母や近所の女たちがひどく落ち着かなくなる理由を調べること。フェイスは14歳。第3世界、ヨーロッパで貧しい暮らしをしている。目的は剣闘士の学校でなんとかやっていくこと。彼女は許しがたい犯罪により、その学校に売られてきた。フェイスは16歳。生き延びている……、今のところ。現在の目的はただひとつ、復讐することだ。
ロルカの4行詩が、アンドレ・ダロバにより美しい折り畳み式絵本の宇宙となった。昼から夜への旅。体を貫く愛と死。初めて詩を味わう赤ちゃんや子どもたちにも、芸術を熱烈に愛する人たちにも新たな扉を開く発見の書。以下のページで、アンドレ・ダロバが本書の創作過程を語っている:Picture Book Makers / http://blog.picturebookmakers.com/post/138987247301/andré-da-loba
レアンドロ・バルセイロは繊細な紫色のユリやアネモネを植えていたとか、彼の娘のクララのゆりかごは西洋アジサイの苗木だったとか、クララはセイロンアマリリスの甘い花びらを吸うだけで栄養を摂っていた、などと村人は語る。2世代の後、その少女クララ・バルセイロ率いる芸術介入隊が、環境保護を訴えるための大胆計画を準備する。今は使われていない石切り場の土地に祖父のレアンドロが作っていたようなバビロンの空中庭園を再現するという計画だ。