第二次世界大戦を実際に経験した100人の語りを通して、戦争の全体像をまとめた一冊。大衆には知られていない人がほとんどだが、証拠で裏付けられた、いずも実際の話を読むことで、読者は人類が起こしたこの大きな争いについて知り、理解することができるだろう。
マテオ・サレルノはサーカス芸人一族の最後のひとり。サーカスの舞台、そして父親から離れることを決意したあと、代々続いてきたサーカス一家の裏に隠された物語を本にまとめて借金を清算しようとする。
不動産会社で熱心に働く女性が空き家になっている物件の内覧準備をしていると、まばたきをしない7歳の少年と出会う。ガラス瓶の中の虫のように昔からこの場所に捕らわれている少年は、女性に何かを期待しているがそれを言葉にすることさえできず、ふたりの間に不気味で完全なる相互依存関係を作り上げてしまう。
「僕たちは自分の人生を額に刻印されているのか? 生まれたときから? 僕の場合、知るのは簡単だ。サグラダ・ファミリアに行こう。
1938年5月22日パンプローナ。「仲間たちよ、外に出ろ。俺たちは自由だ!」力強い囚人の声が刑務所の中庭に響いた。ホアキンは間髪をいれずに立ち上がり、ともに牢の床に座っていたトマスの体をゆさぶった。「行こう!」呼びかけて、セーターをひっぱり、立たせる。ふたりは第二旅団に属していた。
愛と死は、兄弟であるかのように似通った響きを持ち、かけ離れているようだが共存している。本書は、バレンシア及びガジネラの谷で繰り広げられる愛と友情、死と失恋の物語である。多くの歴史を持ちながら人口の少ないこの谷は、さびれてすっかり荒廃している。中学教師のジュアンと、段々畑で耕作をする心理学者のサラはこの谷に住む。またカルロスという人物もそこにやってくる。
表層の下に隠れたものを、キャサリン・マンスフィールドは誰より巧みに描いてきた。彼女の時代の女性たちの行動原理についての深い理解により、女性の登場人物たちのみごとな立体性を発見した。
ずっと前から真っ暗な闇がジャングルを覆っている。そこに住むものたちは月や星を、とくに太陽を待ち焦がれた。しかし動物たちは、その温かい命の源を見つけるどころか荒廃を発見し、どう呼べばよいかわからないほどの大きな火災を前にパニックに陥る。気候変動や人間の行いが起こした大規模火災による、地球の緑地帯の破壊だ。著者ファビオラ・アンチョレナはアマゾン熱帯雨林の終焉を描いたが、これは世界中のどの森に起きてもおかしくない。
自動運転自動車、携帯電話、しゃべるおもちゃ、ロボット掃除機……。知的機械はちまたに溢れています。機械はどれだけの人類を所有していて、人間はどれだけの機械を所有しているのでしょう? この本を読めば、知的機械の働き、それらがわたしたちの生活に与える影響や倫理的脅威を学ぶことができます。知的機械がどのようにして作動するのか、どのように学習するのか、多様でいながら使用者を選ばないためにはどのようなプログラミングが必要か、ということがわかります。イラストは鮮やかで、ユーモアたっぷりの本です。
猛吹雪の山の中でひとり迷子になった小さなアリはどうすればいい? 冬眠したシロクマが何度も目を覚ますのはなぜ? シロクマと出会って安らぎと温もりを見つけた小さなアリの美しい物語。けれども最悪の状況で見知らぬ場所にやって来たアリにとっては、寒さから逃れ、手厚いもてなしを受けるだけでは不十分で、連れ添い、認めてくれる存在が必要だった。