Editorial Txalaparta
チャラパルタ
出版社
ナバラの独立系出版社。
1938年5月22日パンプローナ。「仲間たちよ、外に出ろ。俺たちは自由だ!」力強い囚人の声が刑務所の中庭に響いた。ホアキンは間髪をいれずに立ち上がり、ともに牢の床に座っていたトマスの体をゆさぶった。「行こう!」呼びかけて、セーターをひっぱり、立たせる。ふたりは第二旅団に属していた。彼らの牢は、サンクリストバル要塞の2階にあった。25平米あるかないかのその空間の壁にほとんど1日囲まれていると、精神がおかしくなりそうになる。誰かが牢屋の扉を開くと、囚人たちは階段に殺到して駆けおりた。ふたりははぐれないようにしながらほかの囚人たちに紛れ、「フランスへ! フランスへ!」と叫ぶ、誰のものかわからない声に導かれて、中庭をつっきって刑務所の入り口に向かって駆けた。
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文学
きみの名前の長い夢
El largo sueño de tu nombre
アマイア‧オロリス
Amaia Oloriz
Editorial Txalaparta
理論家というより、ルシオ・ウルトゥビアは、断然、行動する男。彼の人生は、戦いに次ぐ戦いだった。多くの人の考えに反し、それが彼の遺産であり、ルシオの宝だ。ナバラ出身のアナキスト、ルシオ・ウルトゥビアとの尽きることのない会話やインタビューに基づいて、作者のベラッツは、ルシオの人生に影響を与えた行動、場所、人物、出来事、雰囲気を鮮明かつ綿密に再現する。自身もナバラ州のパンプロナ出身のイラストレーター、ベラッツが、ルシオの公式伝記作家として、最も有名な出来事や、あまり知られていない冒険を語る。カスカンテで送った幼少期、最初の銀行強盗、警察からの逃亡、家族や個人的な問題、有名なシティバンクとの交渉、国境を越える方法など、全て、あるいはほぼ全てが、このアクション満載の本に投影されている。
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