葬儀業を営むロレンテ一家は、代々まともだと感じさせない強迫観念的な固定観念を受け継いでいるようだ。生き埋めにされる恐怖は、祖父の化粧品で増すばかりだ。父親のマティアスは、葬儀屋に持ち込まれた美しい女性の遺体に密かに惹かれずにはいられない。そして孫のトリスタンはちょっとしたフェティシズム気質だ。映画発祥の地ハリウッドの美人女優を彷彿とさせるグレースと恋に落ちたトリスタンは、生きる気力も幸福感もない、普通とはかけ離れた人々に囲まれていることに気づく。私は心配だ。
グスは猟犬。グスは自分がやりたくないことを強いられるのは我慢できない。グスは代償を求めずになんでも与えるということを教えてくれる。グスはただ幸せになりたいだけ。多数のグラフィックノベルのイラストレーター兼作家であるティト・アルバの初めての幼年童話には、美しいイラストと友情についての大切な教訓がつまっている。
『Gato en el camino(路上の猫)』は、セルバンテス賞受賞の詩人ニカノール・パラにとって最初の《自己による反詩の先例》であり、天分を示した作品だ。不条理性、脈絡のなさ、そしてユーモアが運に身をゆだねた猫のいのちを包みこむ。ジュアン・カサラモナが独自の解釈を施した絵は読書の可能性を広げ、この物語をどんな世代の読者にも作者の作品の愛読者にも扉を開く文学的遺産に変えた。
移民という現象にジェンダーの視点から統合的アプローチを行った作品。大きな不均衡が存在するこの世界の人間開発を巡る女性と移民が果たす役割を、移民受け入れ社会という背景におけるその優れた社会的機能について示しつつ論じている。本書において、フィールドワークは、現象に対する過度なエスノセントリズム的な解釈を避けるために、現実から切り取られた側面を示し、かつ、当事者にとっての移民の意味をより深く理解できるよう提示される。
1919年1月20日、マドリードのレティーロ公園。著名な小説家ベニート・ペレス・ガルドスは、すでにほとんど視力を失い、体も不自由だったが、彼の栄誉を称える記念碑の落成式に出席する。その夜、銅像の足元で男性が喉を切られて死亡し、犯人は他でもないガルドスの看護師エレナだった。10年前、ガルドスは迷子になっているところを発見された。老いと失明の影響は大きく、マドリードは抑圧的に感じられた。サンタンデールに逃げられないときは、記憶の中に逃げ込んで自分を慰めた。