年若きパウラ・センはとてつもない野心を持った競泳の選手で、4着でフィニッシュしてもトレーナーは喜ばないことを知っている。彼女は空中を滑らかに泳ぎ、ビルの壁を突き破り天空を漕ぎ進む夢を繰り返し見る。競泳の偉大な女性チャンピオンたちの姿に自分を投影するが、パウラの野望は彼女たちのレベルに達することではなく、追い越すこと。
この作品は、他のモンスターとは違うモンスターのお話。プロディヒオーソ・レペルスという名のモンスターは、他のモンスターが食べるものに耐えられず、それにひどい口臭。 そのため、他のモンスターたちは彼を避け、彼は避けられないようにするために、食べるのをやめることにする。ある日、空腹に耐えられなくなった彼は、森で落とし物の本を見つける。それを丸のみすると、なんと、その食べ物が自分に合っていることに気づく。そこで、村の家々から本を盗んででも、もっと本を探すことにした。
コリは西サハラ砂漠の難民キャンプで暮らす耳の聞こえない少年。読み書きが何に役立つのか理解しないまま学校に通っている。おじの家の小さな柵の中で、キャラメル色のラクダの赤ちゃんが生まれる。コリはキャラメルと名付け、すぐに友だちになる。コリは口の動きから言葉を読みとることに慣れているので、ラクダが唇を動かすときは話をしているのだと考えている。こうして、コリは大切な友だちキャラメルの詩のような言葉を形にしたい一心で、字を書く練習をしはじめる。しかしある日、恐ろしいことが…
多くの小説では、物語が展開する舞台がどこでもいいというわけではない。どんな偉大な作品でも、舞台や風景は主人公と同じくらい、物語と密接に結びついている。本書は25の世界的なYA文学の傑作をとりあげ、その作者がかつて住んだり、夢見た場所を巡る文芸入門の旅。それは、文学への美しいオマージュであり、名作の読書へといざなうもの。また、本書で取り上げたすべての作品には、風景の重要性に加えて大きな共通点がある。自由への願望と書き言葉の力が独自の道を模索するよう、私たちを突き動かすことだ。