ジェイムズ・ジョイスの大長編小説『ユリシーズ』に豊富なイラストを付した世界初の本。生前、同作品に命を救われたと語っていた著名アーティスト、エドゥアルド・アロヨによる134点のカラーおよび200点近いモノクロのイラストが掲載されている。イサベル・アスカラテ夫人が「彼はとにかくあの小説に夢中だった」と回想するほど、アロヨにとって『ユリシーズ』は完璧な作品だった。彼は生前、この大作に自分の絵を付して出版することを夢見ていた。
PBL(課題解決型学習)の研修を行う中で、さまざまな国の、異なる教育レベルに属する何百人もの教師と共に「分単位」で取り組んできた内容を紹介したもの。シンプルでありながらも奥深く示唆に富む言葉を用い、キーとなるポイントごとにまとめられている。作者は、COVID-19のパンデミック以降に世界が経験している現実を教育の転換点と捉え、その考えに基づき本書を執筆した。
ノラ・ロドリゲス(文)は文献学者、教育学者であり、青少年向けの本を多数執筆している。なかでも『Guerra en las Aulas(教室の中の戦争)』(Temas de Hoy、2004)は、学校のいじめ問題を取り上げたパイオニア的作品として大きな反響を呼んだ。この題材に関して著者は社会的プロジェクトや講演や出版物で現在も取り組みを続けている。
予報では、これがこの季節の最後の雨。ロマンチックな聖バレンタインデーなのに、フロイド・マクフライはついてなかった。公園の中でずぶ濡れで立ち、傷だらけの心を抱えた彼女は、いかにも「この恋はうまくいかない」と言われたばかりの姿。だが、茶色のコートを着た知らない男性に傘を差しだされ、彼女は楽天的な女の子に戻った。あれは誰? 候補者はふたり。そのひとりはジョゼフ・マーティン、スーパーヒーロー願望が強く、バットマンに仮装し、よくしゃべり、トラブルに巻き込まれがちな少年。
笑顔の住民とミステリアスな魔女が暮らし、たくさんの物語がある、家庭的な村。破産した父親と、世界を変えようと決めている祖父とともに、町から来た少年。つがいのアヒルは、本が実るオリーブの木と、ハートが実るアーモンドの木のあいだで居場所を探す。魔法が生まれるのに、森よりもいい場所があるだろうか?
子どものころからの『指輪物語』への憧れをきっかけに、ディエゴ・ブランコは本作の読者を、トールキンが命を吹き込んだビルボ、フロドやほかの登場人物たちとともに、物語を味わいつくす旅へと誘う。そのために作者はガンダルフの役を引き受け、近代の文学の中でファンタジーのジャンルを羽ばたかせた最初のひとつであり、もっとも有名な物語の秘められた、だが的を射た解釈へと読者を導く。
感性の豊かな人々がどのような経験をし、どのように自らを認識しているのか、その特別なやり方を示し、読者自身の感受性を見定めるのに役立つ寓話。森の暮らしが大好きなカイソはずいぶん前から、濁流のような大都会の喧騒を離れ、木々に囲まれた川のそばの小屋で平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、謎めいた漁師が目の前に現れたことで、彼の人生は一変する。漁師は3つの問いを出し、答えることができるかカイソに挑んできたのだ。森や自然の魔法というテーマの中で、感受性に満ちたカイソの生き方に触れる物語。
クラスメートはポルと遊ばなかった。とっても変な子だと言って、彼を無視した。みんなで怒らせようとしたが、ポルは気にしなかった。「ぼくの父さんは魔術師なんだ」といっていた。だがある日、すごく変なこの子の秘密を暴こうと、みんなはポルのあとをつけることにした……。
そのさびれた村の住人は、動物園で象の飼育係をしているジョンと、猫11匹と暮らす未亡人のエディスだけだ。はじめ互いに関わり合わなかった彼らだったが、今では良き友人同士である。ふたりは、古い鐘楼の上の風見鶏が自分で回り始める夜、村に注がれる「時のまなざし」が自分たちの人生も共に回転させようとしていることなど知る由もなかった。春が訪れた時、動物園の経営陣は想像もしなかったような決断を下す。さらに村が属する自治体も、今は住む人もない湖畔の古いお屋敷を改装し田舎風のホテルにすると発表した。
マリオナ・トロサ=システレはバルセロナでイラストレーションを学び、アクリル絵の具、鉛筆、コラージュ、デジタル技術などのテクニックで世界を作ることを学んだ。絵を描くことに情熱を傾けるようになって以来、企業や公的機関と協力して、絵本や本、記事、アニメーション、ポスターの挿絵を手がけ、人物画を描き、レタリング文字、グラフィック画像、テキスタイルプリントのデザインに携わってきた。手がけた本は18以上の言語で出版されている。