El año de Los Saicos(ロス・サイコスの年)は、1964年のリマ社会の内部事情を辛辣なユーモアで語る。この年はリマ出身のロック・グループ、ロス・サイコスが登場した年で、当時、リマの社会は偽善的常識の尊重と個人の品格低下の間で身動きできなくなっていた。嘘が怪しげな生き残り戦略となり、登場人物のひとりが言うように「誰もが嘘をつく」社会だった。 この小説は「良家」のいとこふたりによる女中への誘惑をめぐる出来事を描く。
1950年代初頭のある朝、アストゥリアス出身の青年パトリシオがハバナ港に降り立つ。パトリシオは、内戦後でまだ暗い影に覆われたスペインの村を出て行きたい一心で、裸一貫だが一旗あげてやろうと意欲満々だった。 光に溢れたハバナの街は彼を温かく受け入れ、友人もすぐにできる。街の象徴であり誇りであるデパート「エル・エンカント」ですぐに仕事を見つけたパトリシオは出世し始め、より責任ある地位について新しい世界への扉を開くが、それは同時に、彼に対して多くの妬みを生むことでもあった。
いろんな気持ちがごちゃごちゃになってしまったことはない? このお話の色いろモンスターはそんなふうに気持ちがこんがらかって、喜び、悲しみ、怒り、恐怖、冷静さを整理することを身につけなくてはならなくなる。表現力豊かなイラストレーションで、子どもが1日のあいだに体験するさまざまな感情を簡単に見つけられる。スペインの学校では、3~5歳のこどもたちの感情教育をするのに欠かせない本となった。
1866年のロンドン、ホセ・ロドリゲス=ロサダは何度となく、自分の過去から逃げるはめになる。子どもの時に親元を離れたあと、彼は政治的理由によりフェルナンド7世の絶対王政のスペインからイギリスに亡命する。そして、故郷よりずっと進歩したロンドンという大都会で、未来への希望がうっすらと見えかけてきたとき、時計職人としての不断の情熱とすぐれた腕前をかわれ、世界じゅうが知る時計、ビッグベンの修理という仕事を大急ぎですることになる。しかし、だれも自分の過去から逃れることはできない。
実際の出来事と、ジュール・ヴェルヌがいくつかの自作に隠したメッセージを土台にしたこの小説は、『驚異の旅』の著者ヴェルヌが巧妙に守ってきた秘密を探る。 3つの物語が収束する驚くべき結末で、ヴェルヌの本当の顔が明らかになる。1886年1月、ジュール・ヴェルヌは、彼の人生で一番の秘密のエピソードを掘り起こす不思議な手紙を受け取る。彼自身の家族さえも知らなかった出来事だ。
エリサは15歳。自分の結婚式の朝、式で弾かなければならないヴァイオリンの一小節を練習しようと努力している。 でもふたつの悲しみが彼女の胸を苦しめる。結婚しなければならない相手は見ず知らずの男だということ、そして彼女に音楽を教えてくれた先生であり、たったひとりの同志だった祖母が亡くなったばかりだということ。 慰めを求めて、エリサは祖母の部屋に行く。そこには祖母の大きな肖像画がかかっている。 そこで一度も開く勇気がなかった宝石箱を見つける。
クマとマーモットは大のなかよし、いつもいっしょに遊んでいる。宝ものを探したり、スターのように歌ったり踊ったりしてごきげんだ。ところがある午後、アヒルを遊びに誘ったと、クマがマーモットに言う。えーっ、それはないよ! だって、マーモットはアヒルが好きじゃない。クマと自分だけの友情をこわすような者は、アヒルだってだれだってお断りだ。そこで、マーモットはアヒルを遊びにこさせないようにしようと決心する。それには何をすればいい? マーモットのひとりよがりの考えからどんな騒動が巻き起こるのか。
近年のヤングアダルト向けミステリーのなかで最も注目のシリーズ。超常的な要素を満載し、抱腹絶倒の主人公が登場。エリック・フォグラーは、見た目は憎たらしいが、読むうちに愛さずにはいられなくなるキャラクター。潔癖症で、きちんとしていなければ気がすまず(なんでも色ごとに分類する)、すべてコントロールせずにはいられない。古典的な探偵ふうにブランドものの服を着こみ、靴はイタリア製で、ズボンは乗馬用、もちろんエレガントでなければならないので鼻紙は絶対に使わない。
米はスペイン料理にとってスター的存在で、この本の主役だ。調理手順を追った写真が多数掲載されており、調理器具や台所用品、器などの基本的な情報に加え、米の炒め方や焦げ目のつけ方、透き通った魚の出汁や甲殻類の出汁の取り方などの秘訣やテクニックも満載。最もページを割いているのはもちろんのことレシピ集である。色々な好みや難易度に合わせた57のレシピが掲載されている。
すべてはパウラが「イヤ」と言うことにした日に始まった。「イヤ」と言うのはすごいことだ。パウラはなんでも好きなことができる……。けれどもそのとき、予想もしなかった事態になる。家がほんもののジャングルに変わったのだ。木やツタがはえ、植物がうっそうとしげり、あらゆる動物がのびのび暮らしている。子どもが大人に挑むとどういうことになるかを描いた、心をつかむ物語。