ひとりの男、3つの物語。 ハリーはスウェルを好きになった。 昔はマリアが好きだった。 その後、サブリナを好きになった。ハリーは1日のうちに妻、仕事、家を失った男。 ハリーは自家用車で寝泊まりするようになる。 ハリーは精神病院に入院した。 ハリーはどん底まで落ちたが、助かった。 自我を切り取られ、真実が一番大切だという信条を守っていた。 もう決して、口先だけで愛の言葉を言うことはないだろう。 決して心を偽って親切にしたりはしないし、決して言い訳や偽善で装うことはしない。
小さな読者が喜ぶ、韻をふんだリズミカルな文章で書かれた絵本。キリンのマルセリーナはなんでも上手だが、料理だけは苦手。うまく作れないくせに、めいっこが好きなごちそうを作ってあげたくなった。どんな騒動がもちあがるか、想像がつくでしょう! 友だちがあれこれととんでもないアドバイスをして、ディナーはしっちゃかめっちゃかのパーティーに。気の毒なマルセリーナ! キッチンはもうたいへん! どうすればいいの? ディナーはどうなる?
マルティナはちょっと寂しい。パパとママが、歯が生えてきた弟のマルクのことばかりかまうからだ。ある日、弟にぬいぐるみをこわされて腹を立てたマルティナは、家を出てモンスターの世界に行き、友だちのアニトラムと遊ぶことにする。ところが、知らないうちにマルクがついてきていた。マルクはアニトラムの弟のクラムと遊びはじめて、ふたりで迷子になってしまう。マルティナとアニトラムは弟たちを探すうちに、なくなったくつ下の国にたどりつく。その国の王様は、弟を返してほしければなぞなぞに答えろと言う。
シェニアは、医学部に入りたくて、よい成績をとろうと頑張っているのだが、最近成績がふるわない。恋をしたからだ。しかも、相手はそこらにいる男子ではなく幽霊だ。一度だけインターネットの中で出会い、本好き同士、意気投合したのだった。彼女の気持ちは決まっているが、バーチャルな恋人が先の約束はできないという言うため、彼女は不意打ちをかけて驚かせてやろうと、手に入るわずかなデータをもとにして調査を開始する。そして、わかったのは、写真も名前も何もかもが嘘だということだった。
マドリード郊外の松林で、両目をくり抜かれた男の首つり死体が見つかる。そのポケットには、ある女の名前と住所が書かれた謎のメモが入っていた。犯罪現場から数キロのところに住むサラ・アスカラガ。弱々しく孤独で、ひとりでウォッカを飲むこの女は、人との接触を一切避けて在宅で仕事をしていた。治安警察のフリアン・トレセル警部補が事件の担当になり、若いコイラ巡査部長が助手としてつく。コイラにとっては初めての犯罪捜査。しかも手がかりはほとんどなく、あまりにも多くの謎がある難しい捜査だった。
ある都市の中心部に近い地区に花を買う5人の女がいる。買い始めたころは自分のためではなかった。ひとりは秘密の愛人のために、もうひとりは事務所用、3人目は絵の題材として、4人目は顧客のために。そして最後のひとりは死者のためだった。この最後の女が私。そしてこれは私の物語だ。連れ合いを亡くしてからマリナは自分が途方に暮れていることに気付く。あまりにも長い間助手席に座りすぎた、つまりは夫任せの人生だった。ゼロからの出発を心に決め「天使の庭」という名のちょっと変わった花屋でアルバイトを始める。
新しいミレニアム到来のお祝い気分の真っただ中、カリブの博物館学者が、有名なファッションデザイナーから奇妙な展覧会に協力してほしいとの誘いを受ける。 動物界の在り方に対する大きな関心がふたりを結びつける。7年が経ち、展覧会はとん挫していたが、デザイナーの死後、博物館学者はふたりの共同作業のファイルを取り戻す。眠れなくてファイルを読み始めた長い夜、あの常軌を逸したプロジェクトの裏には、デザイナー一族の謎の歴史を解読するための鍵があったことを知る。