サムエルは怖いものがほとんどない。犬だって高いところだって知らない人だって嵐だってヘビだって怖くない。だけどひとつだけ、ちょっと怖いものがある。それが何か見つけたくない? サムエルのように恐怖心に立ち向かい、たいがいはやっつける、すべての子どものための物語。恐怖と勇気というテーマはいつでも重要だ。人生や世界にどう立ち向かうかは、恐怖にどう立ち向かうかにかかっているからだ。
町の中央にある古く美しいマルモ墓地は、バーチャルな生者が集う場所だ。そのうちのひとりニルスは、自分がそういう存在なのがうれしくてたまらない。女の子をナンパするという、一番好きなことに打ち込めるからだ。リサイクルされた死者にはいろいろと利点があって、都合が悪いときは幽霊モードになれば、人に気づかれずにすむというのがそのひとつ。ところが、特別な女の子シリは彼らを見つけてしまった。ニルスはそれがおもしろくない。バーチャルな生者は、だれにも自分の存在を知られてはならないからだ。
ルカスのママとパパはスーパーヒーローだ。ルカスのためならなんだってできる。ルカスの髪をとかし、服を着せ、宿題だってやってくれる。だけど夜になるとすっかりくたびれて、ルカスと遊びたがらない。ある日ルカスは、これからは自分のことは自分でやるぞと決心する。難しいチャレンジだけど、やりとげて、ほんとうのスーパーヒーローになってみせる。幼い子どもたちが、日常の課題を大きな冒険にするようはげます楽しい絵本。