実際の出来事と、ジュール・ヴェルヌがいくつかの自作に隠したメッセージを土台にしたこの小説は、『驚異の旅』の著者ヴェルヌが巧妙に守ってきた秘密を探る。 3つの物語が収束する驚くべき結末で、ヴェルヌの本当の顔が明らかになる。1886年1月、ジュール・ヴェルヌは、彼の人生で一番の秘密のエピソードを掘り起こす不思議な手紙を受け取る。彼自身の家族さえも知らなかった出来事だ。
エリサは15歳。自分の結婚式の朝、式で弾かなければならないヴァイオリンの一小節を練習しようと努力している。 でもふたつの悲しみが彼女の胸を苦しめる。結婚しなければならない相手は見ず知らずの男だということ、そして彼女に音楽を教えてくれた先生であり、たったひとりの同志だった祖母が亡くなったばかりだということ。 慰めを求めて、エリサは祖母の部屋に行く。そこには祖母の大きな肖像画がかかっている。 そこで一度も開く勇気がなかった宝石箱を見つける。
クマとマーモットは大のなかよし、いつもいっしょに遊んでいる。宝ものを探したり、スターのように歌ったり踊ったりしてごきげんだ。ところがある午後、アヒルを遊びに誘ったと、クマがマーモットに言う。えーっ、それはないよ! だって、マーモットはアヒルが好きじゃない。クマと自分だけの友情をこわすような者は、アヒルだってだれだってお断りだ。そこで、マーモットはアヒルを遊びにこさせないようにしようと決心する。それには何をすればいい? マーモットのひとりよがりの考えからどんな騒動が巻き起こるのか。
近年のヤングアダルト向けミステリーのなかで最も注目のシリーズ。超常的な要素を満載し、抱腹絶倒の主人公が登場。エリック・フォグラーは、見た目は憎たらしいが、読むうちに愛さずにはいられなくなるキャラクター。潔癖症で、きちんとしていなければ気がすまず(なんでも色ごとに分類する)、すべてコントロールせずにはいられない。古典的な探偵ふうにブランドものの服を着こみ、靴はイタリア製で、ズボンは乗馬用、もちろんエレガントでなければならないので鼻紙は絶対に使わない。
米はスペイン料理にとってスター的存在で、この本の主役だ。調理手順を追った写真が多数掲載されており、調理器具や台所用品、器などの基本的な情報に加え、米の炒め方や焦げ目のつけ方、透き通った魚の出汁や甲殻類の出汁の取り方などの秘訣やテクニックも満載。最もページを割いているのはもちろんのことレシピ集である。色々な好みや難易度に合わせた57のレシピが掲載されている。
すべてはパウラが「イヤ」と言うことにした日に始まった。「イヤ」と言うのはすごいことだ。パウラはなんでも好きなことができる……。けれどもそのとき、予想もしなかった事態になる。家がほんもののジャングルに変わったのだ。木やツタがはえ、植物がうっそうとしげり、あらゆる動物がのびのび暮らしている。子どもが大人に挑むとどういうことになるかを描いた、心をつかむ物語。
2016年UPC(カタルーニャ工科大学)SF賞受賞作品。ジグラットへようこそ。この不思議な惑星の移民たちは劣悪きわまる環境の中で数世紀にわたり生き延びてきた。その間加速度的な進化を遂げた結果、異質なものへと変化していた。やがて灼熱が惑星を襲う。王室警備隊長の指揮の元、住民の大移動が始まった。脅威に満ちた旅の先に待っているのは天国か、はたまた地獄か。
お母さんは、娘のノアに母乳をやるのをやめようと決心する。お母さんはノアに説明するために、幸せな雲の寓話をつくりだす。生まれた日からずっとノアのそばにはひとつの雲がいて、ノアといっしょに少しずつ大きくなっていると話しだす。色のついた、このふんわりとした雲は、いつもそばにいてノアをだきしめている。お母さんはノアに、おっぱいを飲むのをやめたら、すてきなパーティーを開いて、授乳していた月や年と同じ本数のろうそくを吹き消そうと約束する。
ナイルはただの川ではない。このアフリカ最大の川は、何百もの民族の心であり、地球上最大の権力を誇った歴代ファラオたちの浮き沈みを見てきた目撃者である。ナイルという名前はピラミッドに隠された秘密を思い起こさせ、今日もなお生き残りをかけて戦う長い歴史に支えられた諸文明の誇りでもある。今日ナイルは、ウガンダの北の平和を表す一方、南スーダンでは戦争も起きている。エチオピアの谷では生、エジプトやスーダンの牢獄では死を意味する。独裁であり、不平等である一方、進歩であり、希望であり、自由への欲求である。
2015年が始まった。バレンシア政界がここ数十年経験したことのない大きな変化を遂げるまであと少しに迫っていた。しかし、流れに逆らって生きる人たちは依然としてその姿勢を保っていた。変えたくもなかったし、変えられなかったのだ。勤めていた新聞社を辞めてフリーのジャーナリストになったマルク・センドラは町の中心地で起きた歴史的な強奪事件に関する小説執筆の準備をしていた。