経済危機で雇用が不足しているヨーロッパで、エリートを目指して有名大学に通っていた女子大生が、イギリスの村に帰ってきた。挫折の影と、アルゼンチンからの送金によって彼女をコントロールする母親に追い詰められ、主人公は自分に約束されていたはずの成功が消えていくのを見る。彼女は日々賃貸の家やアパートのあいだで過ぎていく。そこにある他人の家財は、使い捨てられた他の人生の証以外のなにものでもない。しかし彼女は、厳しい規律を自分に課して軌道修正しようとする。今度こそ人生に勝利しようと勉強を再開する。
血と肉をそなえた人間のまま、紙の世界でくらすことを想像できる? 怖いもの知らずの女の子カンデラが、新しい冒険をひっさげて帰ってきた。今度冒険するのは、オリガミでつくったものでいっぱいの紙の世界。オリガミは何かって? 紙を折る遊びを日本語でそういうんだって。雨が降る11月の土曜の朝、カンデラと仲間たちが科学博物館に行ってみると、折り紙のめずらしい展示をやっていた。ところがちょっとうっかりしたすきにカンデラは、こわれやすい紙でできたその信じられない世界にとらわれてしまった。
父親の没後困窮した若い建築家のアロンソは、何百年も前から西の方角に埋もれている秘宝があるのを知る。砂漠の旅によってアロンソは、死は生の終わりではなく、生のひとつの状態に過ぎないことを教えられる。さらに自らの臨死体験によって、その直観が確信に変わる。シンプルで読みやすい、ヒスメラの洗練された筆が、人間の魂の奥底の深い知恵を開示する。
たいがいは気づきもしない、何気ない日常の行動の多くに科学が存在していることを、子どもに教えるための実験の本。これらの実験のねらいは、読者が科学を理解し、科学へ興味を抱き、まわりの世界に科学が及ぼす影響を共有すること。日常生活のなかにあるごく普通の物を使ってできるユニークで楽しく、びっくりする実験が、読者の科学への好奇心や想像力を目覚めさせる。主役は読者。おどろきながら学び、自分でやってみせてまわりをおどろかせることもできる。自分で取り組めば、学んだ内容が役立ち忘れにくくなる。
大きな街の近くに、今にも崩れそうな大邸宅、黒バラ館が建っていた。どうやらだれも住んでいないようだ。ぶきみな木の茂った森、黒い彫像、秘密の地下室、古い時代の追憶が、館全体を密室めいた雰囲気で包み込んでいる。ある夜、15歳のセルヒオとクララは偶然、この闇の王国へと入りこむ。謎めいた豪邸の内部に、ふたりの運命がひそんでいるのは疑いようがなかった。
マリア・ラモスの親しみやすいキャラクターたちに手をとられて、ごく小さな子どもたちがゲームや課題に挑戦しながら、色と色の名前を結びつけられるようになる。色のマジックを理解するための、見開き展開の20のアクティビティー。
ラウラ・ガメロとマヌ・カリェホンは本書で、子どもによくある恐怖心、家のすみにかくれているモンスターへの恐怖とどう向き合うかをとりあげる。主人公たちは、簡単なマニュアルにそってモンスターをつかまえることにする。計画をねってわなをこしらえたり、不意をつこうと待ち伏せしたりしながら、子どもたちはだんだんと勇気やしんぼう強さを見せていく。こわさが消えると、モンスターがあらわれる。あとは、モンスターと仲よくなれるかどうかだ。
人と社会の基本的価値をめぐる3幕の喜劇。小さなミゲルはおじいちゃんから贈られた魔法のあみを使い、池で7つの星をつかまえた。星たちはミゲルの友だちになり、人生のほんとうの価値を教えてくれる。優しさ、広い心、ねばり強さ、努力、平和、ゆるす心、喜び、期待、いとしい人たちの思い出、分かちあえること……。心あたたまる場面を通して、大事なことがほかにもたくさん見つかる。すべての人のための劇だが、特に青少年向け。
イグナシとマリアは最初から別れる運命にあった。マリアが転校してきたとき、みんなが彼女のかかえる問題、ひどい殴打を受けて母が昏睡状態で入院していることを知っていた。だが暗い過去がマリアの行く手に影を落とすことはなく、間もなく彼女はクラスの中心的存在になる。ほほえみと機知に富んだマリアは、大勢のなかでもひときわ輝いている。ずっとその学校に通うイグナシの特技は、いてもだれにも気づかれないこと。ふたりの親友以外、だれも彼を気にとめない。沈黙が隠れ家だと、自分でもよくわかっている。
コスミック・キャットは大胆不敵な宇宙ネコ。ゴーダ惑星で開かれるパーティーにどうしても行きたくなった。何を着ていく? とちゅうで何が出てくるかな? 本に描かれた、かつら、服、宇宙人、惑星、隕石などのなかから、それぞれのシーンでいちばん楽しいと思うものをえらんで色をぬろう。自分だけのお話がつくれるし、何度でも好きなだけ変えてもいい。