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Editorial Minúscula

Editorial Minúscula

ミヌスクラ

出版社

CIF

B62022876

所在地

Av. República Argentina, 163, 3º 1ª



経済危機で雇用が不足しているヨーロッパで、エリートを目指して有名大学に通っていた女子大生が、イギリスの村に帰ってきた。挫折の影と、アルゼンチンからの送金によって彼女をコントロールする母親に追い詰められ、主人公は自分に約束されていたはずの成功が消えていくのを見る。彼女は日々賃貸の家やアパートのあいだで過ぎていく。そこにある他人の家財は、使い捨てられた他の人生の証以外のなにものでもない。しかし彼女は、厳しい規律を自分に課して軌道修正しようとする。今度こそ人生に勝利しようと勉強を再開する。いつか優等生、完璧な学生になるのだ。本書はかみそりのように鋭く圧倒的な精確さで、現代ありがちなやさしげな物語を切り裂き、暴力と自己処罰しか芽生えない不毛な光景を露にする。

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Paula Porroni著『Buena alumna』の表紙
文学

優等生

Buena alumna

パウラ‧ポローニ

Paula Porroni
Editorial Minúscula

夜、眠れない男、眠る女。男はまどろみのあいだだけ現れるイメージにふけり、「不眠は熾火のような赤い目をした暗い獣だ」と思う。天気予報の原稿を書くアルコールに溺れた元船乗り、「監視されて退屈な」フランコ独裁政権時代のバルセロナに現れる日本人学生など、かつての友人たちが、夜明け前、想い出がつくりあげた幽霊となって、ひとりずつ出てくる。登場人物の人生、現実になるとは限らない彼らの運命は、人生の中で他者が占める真の位置について、読者に自問させる。乾舷(つまり海から出ている部分。それに対し喫水部とは海の下に使っている部分)を見せて航海する船のように、ホセ・ルイス・デ・フアンのこの素晴らしい物語は、夜明けと夜の間、現在と想い出の間をたゆたいながら堂々と進んでいく。

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José Luis de Juan著『Obra muerta』の表紙
文学

乾舷

Obra muerta

ホセ‧ルイス‧デ‧フアン

José Luis de Juan
Editorial Minúscula

不倫の恋人たちは、偽りの感情も本当の感情も、同じ確信をもってかわしあう。それが繰り広げられるのは、ほかに証人などいないふたりきりの場所だ。だが、もし偽りが真実で、本当は、夫に取って代わるのを恐れているのだとしたらどうなるだろう? この物語の語り手である無名の男は、この疑問を解き明かそうとして書いているのではない。「別の人間になりきり」、不貞を理解できたなら気がすむのだ。自分の中には、感情の絶頂と賞味期限があり、愛人の中には、既婚者であるのを嘆くだけの投げやりな感情があるのを認識している。しかし現実の夫婦生活の情熱が冷めつつあるなか、ひょっとすると禁断の愛は結婚生活を害するのではなく、夫婦の絆を強める働きをしているのではないか。本書は不倫への辛辣な解釈を提案する。

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Francisco Solano著『Jugaban con serpientes』の表紙
文学

蛇と戯れていた

Jugaban con serpientes

フランシスコ‧ソラノ

Francisco Solano
Editorial Minúscula