子供たちは驚嘆するという素晴らしい能力と尽きることのない好奇心を持っている。そのふたつが彼らを小さくて偉大な哲学者に変える。哲学的思考は子供たちを責任ある積極的な市民に育てるが、家庭や学校でその思考を深める重要なツールとなるのが本書だ。前半では、子供たちの個人的あるいは社会的な知的発達を助ける哲学教育のメリットを説く。後半では、西欧の大思想家が遺した12の重要な問題を取り上げ、批評や対話、ゲームや想像力を通して、家族や教師が子供たちと共にその問題に取り組むための実践的方法を提案する。
「年寄りになっても在りし日の子どものままだわ」自嘲を込めて言った。この小説『El olor de las olas(波の匂い)』の主人公アウロラの台詞だが、誰にでも当てはまる言葉だ。『El olor de las olas(波の匂い)』は他でもない思い出の匂い。ちょっとした言葉やコーヒーを入れたカップを包み込んだ感触、自転車で行った散歩、ひとかけらのケーキ、その時々に私たちの心に永遠に刻まれた思い出。
ニーナ・シモンの情熱的な生涯を知ってほしい。アフリカ系米国人の市民権を求め、音楽で闘った女性だ。小さなころは、ピアノのペダルに足が届きもしなかった。大人になると、指は鍵の上を舞った。音楽を武器に不公正と闘い、より公正な世界を手に入れるため地球上を駆け巡った。対象年齢:3歳から。
どの人物の伝記も、それ自体その人の小さな宇宙である。ラウラ・グットマンが本書で取り上げているのは、私たちひとりひとりの話、つまり子供時代の話であり、特に子供時代を覚えていないすべての人の話である。それを書くことで私たちは自分の人生の流れを変えていくことができる。本書は私たちが自分自身をもっとよく理解するための本である。私たちが重ねてきた感情的な現実に分け入り明らかにするといってもいい。
権力をどうやって手に入れるのか? どうやって保持するのか? ニッコロ・マキャベリは当時の為政者たちに思いを馳せながら君主論を書いたが、著者はその考えが政治や軍隊、企業や社会活動における現代のリーダーにも当てはまることを明らかにする。
『El primer emperador i la reina Lluna(初代皇帝と女王リュナ)』でジョルディ・クッサは至高の域に達した。中国文化においてもはや神話的な存在である魅力的な人物、秦の始皇帝のぞくぞくするような冒険小説。現実と驚異が混じり合う中国の初代皇帝の人生はホメロスの叙事詩に劣ることなく、中国文化史上類を見ない創設者として英雄の役目を果たしており、その魅力的な人物像は神性と醜悪の間で揺れる。当時の年代史にはない女性たちを創造し登場させたのは、小説ならではの成果。
なにか描いてと頼まれて、描けなかったことは何度ある? さあ、描いてみよう! スリーステップでアーティストに変身だ。描けば描くほど簡単になるよ。可能性は無限大だ。
本書は、ルイス・ディエス・デル・コラール=イ=ペドルッソの最高傑作を、ヨーロッパのルーツシリーズとして2018年に再編集されたものであり、20世紀に構想されたヨーロッパの歴史的解釈のなかで最も際立った作品のひとつである。また、ここ数十年間でヨーロッパで支配的になっている不確実性を予言したことでも知られている。その証拠にフランス語や英語、ドイツ語、イタリア語、日本語など複数の言語に翻訳されている。
幼児向けの驚くべき絵本。どこにでもある、ありきたりの森の話だ。住民たちにはタイムスケジュールなどなく、気ままな生活をしている。だが、みんなのだらしない日常をきちんとすることにこだわるクマが現れて、すべてが変わることになる。うまくいくのか? 森はどうなるのだろう? そしてクマは?
私はありふれた少女だった。だれでもそうするように、学校へ行き、両親とケンカし、友人を無条件に愛し、ときどき、好きになってはいけない人を好きになった。紙面を割く価値のあるような現実離れした出来事や、英雄的な話は何もなかった。だからこの物語は、両親や友だちや、私が恋した人たちの話ではない。学校で退屈している女子高生の日常の話なんかじゃない。この物語の主人公はたったひとつ、鼻。有名で、並外れた鼻。ベルジュラックに生まれ、名をシラノという英雄の鼻だ。