オオカミのワルは花咲く森で、友だちのハリネズミのウヌボレといっしょに暮らしている。いっしょに森を見守り、道で見つけたごみを拾ってリサイクル。だけど、ワルは信用されない。もう悪い子じゃないのに。分かってもらえるでしょうか? 本作は自然と友情、そして何よりセカンドチャンスを描く、美しい物語。
「メディアが提供するマドリードのイメージはとても興味深い。一日がリッツから始まり、昼はインターコンチネンタル、夜はパレスホテルで終わるが、もちろん、貧乏は相変わらずだ」マドリードの若い政治特派員として、バルとニュースルーム、本とガールフレンドたちの間を行き来しながら人生を始めることは、ピカレスクあるいはストイシズムを気取る口実になる上に、作家を目指すジャーナリストにとっては何よりすばらしい修業の機会となるものだ。
不穏な言い伝えが残るストラディバリウスのチェロ、謎の失踪、未解決事件、一筋縄ではいかない幽霊話――2019年7月、世界の主要紙は衝撃的なニュースを大々的に報じた。「著名チェロ奏者レベッカ・ブラックウッド、嵐の夜に消える。夫、助手とともにヨットで航海中」。警察による必死の捜索活動や緻密な捜査でも、彼女の身に一体何が起きたのか手がかりがつかめないまま3ヶ月が過ぎる。そして10月31日、レベッカの死亡宣告まで残り数時間。
ニューヨークからバラハス空港に着いたカルロス・Hは疲労困憊しきっていた。出迎えに来た自分の母親と恋人の姿を見つけ、だるそうに歩き出した彼だったが、到着を待つ群衆の中に美しい女性を見かけて、ついついそっちに足を向けてしまう。「ミスターノバック」と書かれたボードを持ったその若い女性にカルロスは、「こんにちは、ノバックです」と手を差し出して・・・この無謀ななりすましから、カルロスはこれまでの人生とはまったく異質な世界に深く引きずりこまれていく。何もかもとんでもない世界に。
サルダーニャで療養中のガウディが重篤な病の床でしたためた21通の書簡。その中に示されたこの偉大な建築家の胸のうちを元にフィクションを交えて綴った本作は、ガウディ本人が家族、仕事、友人への想い、そして情愛、野心、失望について一人称で語る興味深い作品である。作者のシャビエル・グエイは、ガウディのほぼ全てのプロジェクトに資金提供を行ったエウゼビ・グエイの末裔であり、本書は、ガウディとその世界的に有名な建築物について、われわれが抱き続けてきた多くの疑問に答えてくれる格好の読み物でもある。
わたしはユミ、10歳。大きくなったらロックグループのドラマーになるの。将来性がある職業で、きっとお金持ちで有名になれるから。今から話す信じられない話は、ビデオクリップを撮影しようとしたときに起こったの。そのとき親友のアリマーニャはロックスターになるって決めたんだって。そのあとわたしは騒動に巻き込まれたの。パパはわたしに本当のことを言うように約束させたけど、そのせいで騒ぎはもっと大きくなった。