Libros del Asteroide, SLU
リブロス・デル・アステロイデ
出版社
ルイス・ソラノによって2005年にバルセロナで創立された独立系出版社。独立性とリスクを負う意欲を明確にしようと、この名をつけた。設立以来、300冊以上の書籍を刊行し、読者や批評家から高い評価を得て、数々の賞を受賞している。中でも特筆すべきは、2008年に文化省から授与された最優秀文化出版功労賞である。合理的な出版ペースを保つことで、1点1点、内容の選定、編集、普及に細心の注意を払い、それぞれの本に必要な手をかけた本作りを続けている。
仕事にも結婚にも疲れた新聞記者のルイスは、テキサスのオースティンでの学会に出席する予定である。出張は、人生の唯一の喜びとなっているカミーラとの束の間の逢瀬のアリバイにすぎない。しかし、出発しようとしたとき、カミーラから「もうここでおしまいにして、思い出にしましょう」というメッセージを受け取る。ルイスは落胆し、どうしてよいかわからないままオースティンに行き、大学の文書館にこもり、そこで偶然、ウィリアム・フォークナーが愛人ミータ・カーペンターに送った手紙を見つける。この長い書簡を読んだのがきっかけで彼は、自分の恋の冒険の思い出をたどりなおし、退屈な家庭生活をふりかえる。しかし同時に、生きがいを持って日々を生きるにはどうすべきかと自問せずにはいられない。たっぷりの真実とユーモア、語りの力で、恋の熱情と、人間関係の避けがたいルーチンを普遍的な形で探求する。
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文学
完璧な日々
Los días perfectos
ハコボ‧ビルガレチェ
Jacobo Bergareche
Libros del Asteroide, SLU
第1回リブロス・デル・アステロイデ賞ノンフィクション部門受賞作「いつもよく眠れない。それは私の人生の重要な事実だ」筆者を含め、睡眠に悩む人の体験を語る本書はこの言葉から始まる。この本の不眠はいわゆる極度の不眠症ではなく、比較的普通の日常を送れてはいるものの、夜、昼、仕事、周りの人々などとの関係に影響を及ぼし、孤独や敗北、失望といった感情に向かわせる持続的な睡眠の問題だ。『El mal dormir(不眠)』はごく普通に起きるが謎だらけの不調に関する明解な思索で、睡眠に問題がない人に対して、不眠に悩む人が持つ知られざる側面を見せるとともに、不眠の人にとっては、知ってもらえることによるささやかな慰めを与えることを目的としている。
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文学
うまく眠れない私(「不眠」)
El mal dormir: Un ensayo sobre el sueño, la vigilia y el cansancio
ダビッド‧ヒメネス=トーレス
David Jiménez Torres
Libros del Asteroide, SLU
「メディアが提供するマドリードのイメージはとても興味深い。一日がリッツから始まり、昼はインターコンチネンタル、夜はパレスホテルで終わるが、もちろん、貧乏は相変わらずだ」マドリードの若い政治特派員として、バルとニュースルーム、本とガールフレンドたちの間を行き来しながら人生を始めることは、ピカレスクあるいはストイシズムを気取る口実になる上に、作家を目指すジャーナリストにとっては何よりすばらしい修業の機会となるものだ。作者が、自身が持つ幸福への使命感で人間不信を抑えつつ一片の皮肉もなしにつづったこの日々の記録は、青年から大人にかけて人生が本格的に始まる瞬間を明晰な観察眼で映し出した、文学的で心地よい旅路そのものだ。
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