19世紀末を舞台に繰り広げられる厳しくも情熱的な物語。身売りの咎で収監された15歳のシスカや刑務所の視察員コンセプシオン・アレナール、物語の鍵となるフアナ・デ・ベガのような女たち、または性を貪る男たちとの出会いを嘆く悪女たちの声なき声といった複数の声で語られる。この小説は、1863年にア・コルーニャのア・ガレーラ刑務所に収監された囚人たち、この排除された人々が忘れ去られることなく記憶に留められるために書かれた。
地球。人口:1人。なにがなんだかわからなかった。2019年9月1日、それは起きた。初めはみんな元気だったが、間もなく窒息死しはじめた。とてつもない沈黙が、少しずつ世界を覆っていった。この謎めいた惨事を、わたしは父さんのおかげで生き延びた。目覚めたとき、わたしは身の毛もよだつ光景のただなかにいた。おびただしい数の死体が横たわっていた。みんな死んでいた。しばらくして、実際には7人の生き残りがいるとわかり、わたしは彼らに合流した。なにが起きたのか、人類消滅の理由はなにかを調べる人もいた。
高齢者介護のトレーニング法について書かれた画期的な本。ケアとサポートのための包括的な視点を示しており、経験の有無に関係なく全ての介護者にとって最良の手引きとなるものである。介護のプロ、看護を学ぶ学生、インフォーマルケアワーカーなど高齢者の世話に携わるあらゆる人を対象にしている。高齢者介護は世界で最も需要が伸びている労働のひとつである。にもかかわらず、親や祖父母を介護する人へのトレーニングが、受ける側の身体的、心理的、情緒的なケアを完全に行うには不十分であるケースも少なくない。
地理や歴史、人類学からなる9人の専門家を執筆者に迎えた本書は、人類の歴史的冒険を幸せの探求という観点から分析し、たとえ命をかけても前進し新しい地平を発見したいという人間の意思を明らかに見せてくれる。前例のない視点から、環境や都市計画、エネルギー、心理学、経済、通信など多様なテーマを通じて社会を知る旅である。
病気で余命いくばくもないことを悟った有名漫画家ルンディは、娘と妻が路頭に迷わないよう銀行強盗をやろうと思いつく。報道や彼の伝記で知られている通り、この強盗は失敗に終わりルンディもその中で死んでしまうのだが、娘のエリサが成人した時に、なぜ自分が「国際民間銀行」を襲撃しようとしたのかを伝えるべく彼は漫画を描き残していた。しかし漫画は未完であり、ルンディが残した遺書には、長年、自身のゴーストライターとして絵の手直しをしていたハビエル・アラ(作者)にその完成を託すと記されていた。
アドナイス賞及びスペイン国営ラジオ局RNEのオホ・クリティコ賞(2018)を受賞したアルバ・フローレス=ロブラが読者に贈る愛の詩集。波乱に満ちた愛、平穏な愛、そして愛の欠如。そしてまた、私たちが見ることは叶わないが、どこかで育ち続けるだろう森の愛。不明瞭な事柄の多い今日にはうってつけの1冊。アルバは近年のスペインの詩の世界に新鮮な声を吹き込む詩人のひとり。そして同時に、最も儚い声でもある。