絵本。主人公の男の子が1人称で語る。「ぼくのママはぼくがいないところで、山ほどたくさんのことをしてる。ママは、高く遠くに飛んでいきたがっている風船の中で暮らしてる。高く飛んで空のかなたに消えてしまう風船もあるから、ぼくはこわくなる」 仕事やスポーツジムなどに行ったときなど、ママは主人公から遠い風船の中にいるように見えることがある。けれども、男の子はうまい手を持っている。ひもをひっぱって、風船をひきよせるのだ。
「シモンおじいちゃんとわたしは毎日、キスかくしごっこをして遊ぶ。病院に行かなきゃならなかったり、いないときもあるけれど、おじいちゃんとわたしは遊びつづける……」アーティスティックな美しい絵本。やさしい言葉で、孫娘と祖父の交流が語られる。キスかくしごっこを通して、読者はおじいちゃんが認知症を患っていることがわかる。そんなある日、おじいちゃんは息の仕方を忘れてしまったのでもう戻ってこないと、わたしは告げられる。けれども、母親とキスのおかげで、わたしはなんとか悲しみをのりこえていく。
わたしのひいおばあちゃんは、すごく年をとっていて、だから、何でも知っている。とてもおもしろくて楽しい。ときどき悲しそうになるけれど、たいていはほがらかだ。ひいおばあちゃんは、わたしといるのが大好きで、わたしもひいおばあちゃんと一緒にいるのが大好き。よかったら、紹介してあげるよ。会ってみたくない?……呼んであげる。家族で読むための家族の本のシリーズEn familia(家族で)の1冊。ページの中には、モザイク、布、写真、スポンジ、段ボール、ファスナー、愛撫や愛情がつまっている。
新しい世界に旅に出るため、あらゆる種類のつがいの動物を求むというあの広告を、ぼくみたいにミーアキャットが読まなければよかったのに。そしたら、大洪水が世界を飲みこんでいるとき、あのいまいましいはこ舟に乗らなかっただろうし、あの大混乱の中で、動物が1ぴき、また1ぴきと、跡形もなく消えていくのを見ることもなかっただろうに。
Nico ist ein blutjunger Spion, der mithilfe einer geheimnisvollen Zauber-Enzyklopädie zusammen mit seiner Freundin Mega die spannendsten Abenteuer in Epochen wie Spaniens Siglo de Oro erlebt (an der Seite von Cervantes in keiner geringeren als der
目立たない外見のドミニク氏は実は園芸の名人で、しかも本物の魔法使いだ。いつの間にかパリの片隅を花壇に変えてしまった。彼の花屋レトワール・マンカントは、メルセデスとティルデのお気に入りの場所だ。スペインから移住し、フランスで40年以上働くふたりの女性はどちらも自分は孤独だと思っている。メルセデスは国境を超えたところで夫に置き去りにされ、ティルデは自分を愛してくれる相手と巡り合うことがなかったからだ。そんな平穏でメランコリックな毎日を送るふたりの前に、ビオレタというハリケーンが現れる。
友だちの誕生会に招待されなかった子どもは、仲間はずれにされた気持ちになる。心理学者である著者は、そういった状況を理解するよう手を差し伸べる。下校するとき、みんなわいわい騒いでいる。クラスメイトの誕生会があるのだが、招待されなかった子がいる……誕生会が開かれるとき、招待されなかった子どもは悲しくなり、仲間はずれにされた気持ちになる。
誕生からローマ法王に選ばれるまで、フランシスコ法王の人生を、小さな子ども向けにやさしい言葉で描いたプレゼントブック。説明の中に、法王の感動的な言葉が引用され、法王の人となりを浮かび上がらせている。温かみのある写実的なイラストが心に残る。
1975年11月1日から2日にかけての夜、ピエル・パオロ・パゾリーニはオスティアの海岸で無残に殺害され、ヨーロッパ全体を震撼させる。検視結果は複数犯の存在を示していたが、ひとりの若者が犯人として有罪となる。犯罪学者の女性と男性教員が真相の究明に乗り出す。ふたりが目をつけたのは、マフィアと石油王エンリコ・マッテイの不可解な死について書いたパゾリーニの未完の小説『石油』だ。
サナブリア医師は参っていた。ベネズエラの政治的状況は悪化の一途だし、個人的には、反チャベス派の過激な妻と急進的体制派の弟の間を取り持つのにはうんざりしていた。そればかりか、政府の官僚である甥に、極秘の危ない録音が入った携帯電話を隠してくれと頼みこまれた。そんななかで、失業中のジャーナリストは大統領の病気についての本を仕上げるためにとんでもないことをしでかし、暴力が横行する街を避けて母親とふたり家に閉じこもって暮らす9歳の少女は、チャットで知り合った少年に僅かな希望を見出す。