絵本。主人公の男の子が1人称で語る。「ぼくのママはぼくがいないところで、山ほどたくさんのことをしてる。ママは、高く遠くに飛んでいきたがっている風船の中で暮らしてる。高く飛んで空のかなたに消えてしまう風船もあるから、ぼくはこわくなる」 仕事やスポーツジムなどに行ったときなど、ママは主人公から遠い風船の中にいるように見えることがある。けれども、男の子はうまい手を持っている。ひもをひっぱって、風船をひきよせるのだ。
「シモンおじいちゃんとわたしは毎日、キスかくしごっこをして遊ぶ。病院に行かなきゃならなかったり、いないときもあるけれど、おじいちゃんとわたしは遊びつづける……」アーティスティックな美しい絵本。やさしい言葉で、孫娘と祖父の交流が語られる。キスかくしごっこを通して、読者はおじいちゃんが認知症を患っていることがわかる。そんなある日、おじいちゃんは息の仕方を忘れてしまったのでもう戻ってこないと、わたしは告げられる。けれども、母親とキスのおかげで、わたしはなんとか悲しみをのりこえていく。
わたしのひいおばあちゃんは、すごく年をとっていて、だから、何でも知っている。とてもおもしろくて楽しい。ときどき悲しそうになるけれど、たいていはほがらかだ。ひいおばあちゃんは、わたしといるのが大好きで、わたしもひいおばあちゃんと一緒にいるのが大好き。よかったら、紹介してあげるよ。会ってみたくない?……呼んであげる。家族で読むための家族の本のシリーズEn familia(家族で)の1冊。ページの中には、モザイク、布、写真、スポンジ、段ボール、ファスナー、愛撫や愛情がつまっている。
新しい世界に旅に出るため、あらゆる種類のつがいの動物を求むというあの広告を、ぼくみたいにミーアキャットが読まなければよかったのに。そしたら、大洪水が世界を飲みこんでいるとき、あのいまいましいはこ舟に乗らなかっただろうし、あの大混乱の中で、動物が1ぴき、また1ぴきと、跡形もなく消えていくのを見ることもなかっただろうに。