1530年、ひとりの若者が偉大な編集者アルド・マヌツィオの未亡人に近づき、亡夫の生涯に関する文章を見せる。真実の物語が、想像していた武勲とかけ離れていることは知られていない。マヌツィオはギリシャ文学の至宝の最高の版を作ろうと1489年にヴェネツィアに到着するが、手写本を盗まれたり、義父で印刷屋のトレサニに課金を要求されたり、若き妻マリアが入れ込んでいるエピクロス主義の流布に対して権力者の検閲が入ったり、想定外の困難に見舞われる。
当局がカレンダーから1日を削除すると決定した。選ばれたのは10月6日、エドゥの生まれた日だ。突然誕生日がなくなったエドゥは、いつまでも10歳のまま。もちろん、そんなのおもしろくない。こういうことが起こるのは初めてじゃない(どうして2月は28日しかないんだ?)といっても、なんのなぐさめにもならない。そこで、エドゥは誕生日を取り戻すために闘おうと決心し、「禁じられた物の店」にかけつけた。途方もないことに挑戦するには、途方もない解決策が必要だ。そこでエドゥは「時間吸引機」を手に入れた。
サラマンカのトルメス川のほとりでラサロは生まれた。ひどく貧乏で、小さなうちから自分で食いぶちをかせがなければならなかった。幸せな世界に生きているとは言いがたかったが、利口で機転のきくラサロは、なんとかして逆境を乗り越えていく……。こうして本書は、貧しさゆえに様々な主人の元を転々とし、飢え死にしないため知性を磨いていったひとりの少年の歩みを自叙伝の形で綴る。父はなく、まだほんの子どものラサロを母はひとりの盲人にひきわたす。盲人につきそい、手をひいて生計を立てるためだ。
どんな旅も3つの領域で展開する。内面の旅、時間の中で進行する旅、空間を移動する旅だ。空間の旅は感覚を満足させ、時間の旅は経験を豊かにするが、人間を変えうるのは内面の旅だ。だが、人間は世界の行方を変えられるだろうか? 本作の登場人物たちは冒険に出発し、偶然に導かれて小さな物語がよせ集められ、しまいに全体の変転をもたらす。はらはらする螺旋のような語りを通してこれらの短編は、私たちが生きることになった複雑な世界に自問するよううながす。
思春期を経て大人になる過程の男の子たちによりそっていこうと生まれた本。ここでいう男の子像、男性像はリアルで自然のままの、ステレオタイプに陥らないもので、涙で悲しみを表現するのも大歓迎。男の子は、これまで言われてきたのとは違う意味で強いのだ。筋肉を鍛え、たくさん賞を取ればもっと強くなれると思い込ませる社会の価値観や競争心などかなぐり捨てよう。文章と絵がたがいに響きあいながら、幸せになるための真の力とはなにかを解き明かす。それは本当の自分であること、自分の心に従って自尊心を持つこと。
思春期を経て大人になっていく過程の女の子によりそっていこうと生まれた本。詩的な文章とぴったりのイラストで、リアルで自然な女の子像を提示する。私たちの社会や文化が喧伝する、性別を過剰に意識した女の子像ではない。もっとやせていてもっとくびれた、今とは違う体になりたい、そんな願望を助長する本ではない。本書の目的は、無条件で自分を愛せるように手助けすることだ。
ある週末、寒波に見舞われた地中海沿岸の小さな町ラ・ソラナに4人の人物が居合わせる。ビクトルとバレリアは、結婚生活が破綻寸前の夫婦。商用旅行と言っているが、どうやら夫婦関係を終わらせに来たようだ。そして、職人のブレオガンと観光ガイドのブリジットは、この寒村に行きついて毎日路地を行き来するが普段決して出食わすことがない。第1部「風」は、外部から時ならぬ知らせをもたらす。第2部「潮」は、4人の登場人物の心の奥底をかき回す。
16歳の誕生日に、ある秘密を発見したステリャは自分の運命を受け入れるしかなかった。だがその秘密はやがて、地中海沿いの村の穏やかな生活を根底から揺るがすことになる。成長には多くの責任がつきものだ。ステリャは友だちに助けられて、それに気づく。めくるめく冒険にのり出した彼女は、悪意に満ちた敵と戦うことになる。敵は、力を得てあらゆる海の生き物を奴隷にすることしか考えていない。さらにラブストーリーがからみ、だからこそ、ステリャは戦いつづけることになる。
In einer Vollmondnacht im Internat Sharlok Home findet Fernando wundersamerweise Hopi, einen sehr kleinen Welpen. Zusammen mit Balbina gründen die beiden ein junges, noch unerfahrenes, aber sehr mutiges Detektiv-Team.
この冒険小説の主人公は、好奇心があり、未熟だが、超自然的とも言える特異な才能を持つところがみなと違っている。また、世界の言語に無限の情熱を抱いている。19世紀半ばのペルピニャンに住む主人公は、その才能と情熱のせいで想像もしていなかった道を歩み、普仏戦争とコミューン革命のさなかのパリに行きつく。その後冒険の風にのって、はるか遠いニューカレドニアに至る。植民者と先住民のはざまで主人公は何度も試練にあう。