本作品を読んだ人誰もが、これは著者ジョセップ・リュイス・バダルが体験したことだと考えてもおかしくない。同じくどこまでが事実で(矛盾していないとして)、どこからが著者にとっての活力の糧である文芸表現なのか迷ったとしてもおかしくないだろう。犬を躾け、思春期の子供たちを教え、その他諸々の活動をしているジョセップ・リュイス・バダルは1966年リポリェトに生まれるが、ローマ時代の都市エガラが第2の故郷だと思っている。彼にとってこのふたつの地に大した違いはなく、わざわざ時間をかけて境界線を探すまでもない。少しの空気と光-食事と-彼を取り巻くものたち、そして文学と共に生きるべくして生きている。詩、短篇小説と長篇小説、エッセイを読み、そして執筆する。寛大さと残存。他の人が見た美と彼自身が見た美を共有しようと意図していて、彼はそのマエストロだ。