友人との食後のおしゃべりのように楽しいが、肝臓につきささる鉤爪のような打撃を与える小説。敵から〈カバ〉と呼ばれている、主人公のバシリオは、その相反する性質をいくらかかかえている。119キロの巨体の彼は、そのあだ名を喜んでいる。機会をねらってじっと動かないカバの沈着さは彼のめざすところであり、またカバの獰猛な性質、攻撃的本能、とんでもない知性が彼をひきつける。
ロボットR-BOOTの物語。人間が愛と優しさを得るために、ロボットを必要とする社会について考えさせられる絵本。
ミゲル・パハレスは、気候変動で国を追われて難民となる人々をどのように考慮するかというジレンマを掘り下げる。本書は、気候変動に関するふたつの章から構成されており、もっとも冷酷な移民反対論者の意見にも耳を傾けている。また、何十年も前から状況を知っていながら無責任に行動していた政府の消極的な姿勢を分析して憤慨する。気候変動の主な原因が豊かな国々の過剰生産と過剰消費だというのに、貧しい国々には悲惨な結果がもたらされ始めているのだ。
本書では、育児のあらゆるテーマに関して数多く寄せられる親達の疑問に著者が答えている。例えば怒りの管理、兄弟喧嘩、宿題、整理整頓、テレビやゲームとの付き合いかたなど。その他、遊び心のあるしつけのツールも数多く紹介している。そのベースとなるユーモアのセンスやゲーム、歌、物語は、困難で複雑な日々の状況を解決する有効な手段。感情の緊張を和らげ、子供達に前向きな行動を促す。
偽りの伝統の断片を散りばめ、そこに一見相反するメカニズムを混ぜるボーダーレスな記述。読者が導かれるのは故意に歪められた非現実の日本だが、著者は発明や神話で彩られたその列島を庇護する。寓話、詩、物語風エッセイを集めた本書は、著者の個人的な歩みに時間、空間、様式、記録(仏教の経典からアニメーション映画まで)を組み込んだ奇想天外な旅だ。物語と余談、メモと注釈、詩とアフォリズムが荒唐無稽なモザイクを作り、ユーモアと神話、パロディーと崇拝をミックスしながら「師匠」と「弟子」の関係に切り込んでいく。
顔は心を映す鏡であり、完璧な肌よりも、若々しく活力に満ちあふれた精神を披露するのにふさわしい! 過酷な天候、ストレス、不適切な食生活……、それら全てが肌の見た目に影響を及ぼす。だから徹底的なケアの秘訣を知っておこう。完璧な結果をもたらしてくれる商品は身近にたくさんあるけれど、私達はその使い方をちゃんとわかっているだろうか? あなたの年齢や、肌のタイプ、生活リズム等の要素をしっかりと考慮しなければならない。それにいつだって、思い出すべき「小さなコツ」がある。
悪は不意に忍び寄ってくる。8月のある寒い夜、そのことをエバンス一家は身をもって経験することとなった。闇の中、娘のサラが二人組の何者かにさらわれ、姿を消したのだ。彼女は生きているのか、刑事アンへロ・モリスと法心理学者ハミレン・ラッソは力を合わせ、時をさかのぼって事件のなぞに挑む。一貫性がなさそうに見える犯罪にむきあうふたりは、犯人が残した手がかりが30年以上前の未解決の謎を指し示していることに気づく。
「マルセリノは作業を止めて立ち上がると、手の甲を額にかざし足元の谷を見つめた。何もかもが金色の光の鈴のようにきらきら輝いていた。7月のあの日も同じようにマルセリノは立ちすくみ、じっと目を凝らしていた。家屋も穀物庫も荷車も夕暮れの濃い藍色に包まれる中、ただ弟から流れる血痕がおがくずを赤く染めていた。彼は弟を傷付けるつもりなどさらさらなかった。空には新たな時代の幕開けを告げるように一番星が輝き出していた。
サラ・イカスパイはあらゆる種類の謎や不可解な出来事を解決するスペシャリスト。読書年齢に合わせた文章にユーモア溢れるイラスト満載の冒険ストーリー。サラ♯イカスパイは天才的な調査能力の持ち主。「私はサラ・イカスパイ。でもイカスパイは苗字じゃないの。スパイは私にぴったりの職業で、素晴らしい冒険を経験できる。で、海が好きだからイカって付けたの。だって、イカは海洋動物の中でも、とても頭が良いから」 ある週末、祖父母と行った山でスキーを覚える一方で、わくわくする謎を解く。
これはとっても特別な蚕、セダフィンのお話。セダフィンは飼育箱のなかでたった一匹、白やグレーじゃない、色とりどりの鮮やかな蚕で、仲間たちの驚きの的なんだ。