小さな夢は不安だった。なにをすればいいかわからず、暗い悪夢の影に隠れていた。つまるところ、誇り高き大いなる夢になろうという気はなかったし、ましてや黄金の夢になるなど考えもしなかった。黄金の夢とは、人間の最大の願いになると与えられる特別な地位だ。小さな夢はあまりに小さくて、ほんのちっぽけな望みにもなれなかったけど、たとえどんなに小さくて取るに足りなくても、だれかの願望になろうとしなければならなかった。「わたしたちのもっとも暗くて美しい夢に関する素晴らしい物語」
遺産が無いことに絶望した若き貴族フランシスコ・デサンドバルは、出世する方法を見つける。恋人のフアナを棄て、カタリナ・デラセルダと政略結婚するのだ。お陰でフランシスコはすばやく社会的地位を昇りつめ、国王フェリペ3世の右腕と目される寵臣となる。しかしこの昇進ぶりは論議を呼び、多くの政敵ができる。王妃オーストリアのマルガリータとも対立し、昔の恋人フアナも彼の失脚を狙う。レルマ公爵として世に名を馳せたフランシスコ・デサンドバルは、ハプスブルク王朝時代のスペインで最も有名な人物のひとりである。
ヒナギクがアブラムシだらけ! かわいいヒナギクの悲劇をなんとかしてあげようと、おじいさんは難問の迷路に飛び込み、やがて予想もしなかった幸せな結末を迎える。ロベルト・アリアガ作の楽しい物語に、グリディがやさしさとユーモアたっぷりのイラストを添えている。
ペラという男の子が夜中に家を抜け出して、おもちゃの消防車を探そうと森へ入っていった。何匹かの動物が、珍しそうにペラを見ている。フクロウ、リス、ハリネズミ……。でもペラは気づかない。どの動物なら、ペラに消防車を見つけさせることができるかな? さあ、ペラといっしょに森へ入ろう。そこできみは、好奇心旺盛なたくさんの動物に出会い、一緒に驚きに満ちたすばらしい冒険へと乗り出すだろう。
語り手の父親の死から物語は始まる。あっけない突然の死。過干渉な母親に甘やかされて育ち、周囲の世界に終始悩まされている、極端に繊細で病弱な主人公は、この悲劇的な出来事で大きな打撃を受ける。それを克服しようとソフィアの愛情に頼る。ソフィアは彼と同い年の娘で、別れてはまたくっついてを繰り返すデリケートな関係でつながっていた。それは、素晴らしくもあれば悲劇的でもある関係だった。やがて隠されていた家族の歴史が明らかになり、全てが変わる。主人公は姉のもとに逃げ込む。
不公平、魔法、戦争と愛……遥か昔、とある架空の王国では、邪悪な王ロムバル・ナトケが国中を恐怖に陥れていた。王の野望は果てしなく、すべてが王の支配下にあった。魔法は禁じられ、人々は恐れおののいて生きていた。そこで、 ニクライ・エスタネブラヘという若き靴職人が先頭に立って反乱を起こす。
ある程度名の通った女優であるバレリア・ファルコンは、毎週木曜日往年の舞台女優アナ・ウルティアを訪ねている。ウルティアはディオゲネス症候群を患い、どん底の状態だ。彼女の斜陽は若い新進女優ナタリア・デミゲルの登場と重なり、ナタリアに、別名アディソン・ドウィットこと、シニカルなロレンソ・ルカスはぞっこんになる。ナタリアの幸せを壊す権利は誰にもない。彼女はとても細身だがスクリーンではぽっちゃりして見える。
1874年10月。ガブリエル・カマラサは、ロンドンで数年の亡命生活を送ったのち、家族とともにバルセロナに戻ってきたばかりだ。ラ・ロンハ建築専門学校の初日、入学2年目の若者アントニ・ガウディと知り合う。若いカマラサにとってガウディは謎だ。その年齢の建築学生には考えられないほど豊富な建築の知識を持ち、秘教とオカルト植物学と写真にも興味を寄せる。また、バルセロナの最下層の人々とコンタクトを持ち、彼らと謎の商売をしている。ガウディはまた一級の演繹的思考の持ち主である、あるいはそう考えられている。
努力と謙虚さ、それはスポーツと人生における秘訣だ。ビセンテ・デルボスケが、自身のサッカー哲学と人生哲学の全てを本書で初めて語る。長年の選手生活、監督としてのエピソード、サッカーに対する彼の情熱。クラブや代表チームが切望する全てのビッグタイトルを持つデルボスケの、人間として、そしてプロとしての真価がわかる。
とても変わったひとりの人物の物語。自分の居場所を求めて世界をめぐるうちに、たくさんの冒険に出会う。