どんな場所にも謎が潜んでいるものだが、秘密の博物館があり、一風変わった教授たちがいるオックスフォードの街ほど、謎だらけのところはない。ジェームズ・モリアーティは、ちょっとでも口実があれば、進んでやっかいごとに巻き込まれる傾向がある。だけど神出鬼没の女の子たち、いんちき学生、なんでも開く鍵束、空気を武器として使う容疑者たちと出会ったとき、やっかいごとが向こうから転がりこんできた。19世紀のいたずらっ子が活躍する、抱腹絶倒の新しいミステリー。
ロブは津波で生き残り、今は屋根の上に住んでいる。白いコルク樫でできた船でトレジャーハンティングをし、ラナにぞっこん惚れている。新しい海の財宝を求めて遠征したときに、だれでもなりたい人に変身できる魔法の石を見つける。この発見で彼の人生はがらりと変わるが、同時にこの世には、見かけ通りのものなど何もないと気づくことになる。
もし親があなたを、友だちからも住む街からも遠い寄宿舎に入れたとしたらどんな気持ちになると思う? そうなったとき、13歳のわたしは、恐れと怒り期待をいっぺんに感じた。カメリアス校の門をくぐったとき、2度と出られない場所に来てしまったような感覚に襲われた。だけどそのあとは、うん、そんなに悪くなかった。ベアやベルトと知り合い、そしてわたしたちはやっかいごとに巻き込まれた。たとえば、寄宿舎で取引しているドラッグの売人を見つけたとか……。アルレーネという最高の友だちができたのも悪くない。
ディアナは毎日学校が終わると、バスで家に帰る。とある午後、すごくハンサムな少年と隣り合わせた。彼は次の停留所で降りなければならず、名前も電話番号も告げあわずに別れる。しかし、ふたりは偶然再会し、ある約束のもとでデートするようになる。ひと月は名前を教えあわず、バスの男の子、バスの女の子と呼び合おうという申し合わせだ。
13歳のナンネル・モーツァルトは、天才作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのお姉さんだ。ヴォルフリ(モーツァルト)はその年ごろのどの子もそうであるように、遊びといたずらが大好きで、大人の世界はよくわからない。パーティは好きだけど、宮廷やお屋敷に招待されるのは好きじゃない。そういうところでは、まるで珍しい生き物のように見られるから。姉さんは弟のことをいちばんよく知っていて、弟が責任と義務感で爆発しそうだと感じると、弟のために素晴らしい世界、リュッケンの魔法の王国を作り出す。
小さな夢は不安だった。なにをすればいいかわからず、暗い悪夢の影に隠れていた。つまるところ、誇り高き大いなる夢になろうという気はなかったし、ましてや黄金の夢になるなど考えもしなかった。黄金の夢とは、人間の最大の願いになると与えられる特別な地位だ。小さな夢はあまりに小さくて、ほんのちっぽけな望みにもなれなかったけど、たとえどんなに小さくて取るに足りなくても、だれかの願望になろうとしなければならなかった。「わたしたちのもっとも暗くて美しい夢に関する素晴らしい物語」
遺産が無いことに絶望した若き貴族フランシスコ・デサンドバルは、出世する方法を見つける。恋人のフアナを棄て、カタリナ・デラセルダと政略結婚するのだ。お陰でフランシスコはすばやく社会的地位を昇りつめ、国王フェリペ3世の右腕と目される寵臣となる。しかしこの昇進ぶりは論議を呼び、多くの政敵ができる。王妃オーストリアのマルガリータとも対立し、昔の恋人フアナも彼の失脚を狙う。レルマ公爵として世に名を馳せたフランシスコ・デサンドバルは、ハプスブルク王朝時代のスペインで最も有名な人物のひとりである。
ヒナギクがアブラムシだらけ! かわいいヒナギクの悲劇をなんとかしてあげようと、おじいさんは難問の迷路に飛び込み、やがて予想もしなかった幸せな結末を迎える。ロベルト・アリアガ作の楽しい物語に、グリディがやさしさとユーモアたっぷりのイラストを添えている。
ペラという男の子が夜中に家を抜け出して、おもちゃの消防車を探そうと森へ入っていった。何匹かの動物が、珍しそうにペラを見ている。フクロウ、リス、ハリネズミ……。でもペラは気づかない。どの動物なら、ペラに消防車を見つけさせることができるかな? さあ、ペラといっしょに森へ入ろう。そこできみは、好奇心旺盛なたくさんの動物に出会い、一緒に驚きに満ちたすばらしい冒険へと乗り出すだろう。
語り手の父親の死から物語は始まる。あっけない突然の死。過干渉な母親に甘やかされて育ち、周囲の世界に終始悩まされている、極端に繊細で病弱な主人公は、この悲劇的な出来事で大きな打撃を受ける。それを克服しようとソフィアの愛情に頼る。ソフィアは彼と同い年の娘で、別れてはまたくっついてを繰り返すデリケートな関係でつながっていた。それは、素晴らしくもあれば悲劇的でもある関係だった。やがて隠されていた家族の歴史が明らかになり、全てが変わる。主人公は姉のもとに逃げ込む。