子どものころからの『指輪物語』への憧れをきっかけに、ディエゴ・ブランコは本作の読者を、トールキンが命を吹き込んだビルボ、フロドやほかの登場人物たちとともに、物語を味わいつくす旅へと誘う。そのために作者はガンダルフの役を引き受け、近代の文学の中でファンタジーのジャンルを羽ばたかせた最初のひとつであり、もっとも有名な物語の秘められた、だが的を射た解釈へと読者を導く。
感性の豊かな人々がどのような経験をし、どのように自らを認識しているのか、その特別なやり方を示し、読者自身の感受性を見定めるのに役立つ寓話。森の暮らしが大好きなカイソはずいぶん前から、濁流のような大都会の喧騒を離れ、木々に囲まれた川のそばの小屋で平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、謎めいた漁師が目の前に現れたことで、彼の人生は一変する。漁師は3つの問いを出し、答えることができるかカイソに挑んできたのだ。森や自然の魔法というテーマの中で、感受性に満ちたカイソの生き方に触れる物語。
クラスメートはポルと遊ばなかった。とっても変な子だと言って、彼を無視した。みんなで怒らせようとしたが、ポルは気にしなかった。「ぼくの父さんは魔術師なんだ」といっていた。だがある日、すごく変なこの子の秘密を暴こうと、みんなはポルのあとをつけることにした……。
そのさびれた村の住人は、動物園で象の飼育係をしているジョンと、猫11匹と暮らす未亡人のエディスだけだ。はじめ互いに関わり合わなかった彼らだったが、今では良き友人同士である。ふたりは、古い鐘楼の上の風見鶏が自分で回り始める夜、村に注がれる「時のまなざし」が自分たちの人生も共に回転させようとしていることなど知る由もなかった。春が訪れた時、動物園の経営陣は想像もしなかったような決断を下す。さらに村が属する自治体も、今は住む人もない湖畔の古いお屋敷を改装し田舎風のホテルにすると発表した。
マリオナ・トロサ=システレはバルセロナでイラストレーションを学び、アクリル絵の具、鉛筆、コラージュ、デジタル技術などのテクニックで世界を作ることを学んだ。絵を描くことに情熱を傾けるようになって以来、企業や公的機関と協力して、絵本や本、記事、アニメーション、ポスターの挿絵を手がけ、人物画を描き、レタリング文字、グラフィック画像、テキスタイルプリントのデザインに携わってきた。手がけた本は18以上の言語で出版されている。
21世紀の吸血鬼は昔とは違う。ドラキュラは『トワイライト』の登場人物のような悩める若者に取って代わられた。現代のバンパイアは中年の伯爵を葬り去り、若さや喜び、愛、女々しさを前面に押し出す。モンスターは人間の不条理を帯び、一方で世界は経済危機や政治抗争、SNS、感染症によって人の血を吸うようになった。本書は、トランシルバニアの城の伝説から映画で活気づく吸血鬼の再解釈に至るまで、神話の変容を分析。昔の子供は吸血鬼が怖かったが、今時の子供は吸血鬼になりたいのだ。
スペインの初期の女性パイロットたちの生きざまに着想を得て、マル・カンテロがすぐれた文体と人の気持ちに寄り添う繊細さで女性たちの勇気を描いた感動的な作品。今よりも女性の社会進出が困難だった20世紀を舞台とする、冒険、愛、未来への希望に包まれた物語だ。3人の女性、3つの物語、3つのとき、そして彼女たちに共通するたったひとつの夢、空を飛ぶこと。
ガチャン、ガシャン、シーッ、ドーン! コントロールを失った、乗り手のいないキックボードが本棚にぶつかって、本が棚から飛び散った。さらに悪いことに、物語の主人公たちも本から飛び出してしまった。セリア姫は自分自身で物語を進めて、たくさんの登場人物たちをそれぞれの物語に戻す手助けをしなければならない。型破りで意志が強く、勇敢。ピンチから救い出してくれる王子さまを必要としないお姫さまだ。
英国人の作家で1980年代から児童書を執筆している。過去にアンデルセン・プレス、リトル・タイガー・プレス、フランクリン・ワッツなど、多くの出版社から作品を発表し、42作品が中国語、韓国語、アラビア語など25以上の言語に翻訳されている。ラジオやテレビ、劇場用に脚色された作品もある。
Betisú the cow lives happily in a small stable far away from people. Her life is peaceful, pleasant and uneventful. But then suddenly everything changes.