本書の価値は目では見えないものの中にある。目で見ることのできない2つのもの、つまり人生に対する姿勢と、内面の美しさだ。本書の主要な目的は、読者の自尊心を強くすることだ。人から好かれ愛される子どもは幸福だ。だれもがみな鏡を見て、自分が内側に持っているものを発見できる。
本書は、従来のドラゴンとおひめさまの物語とは少し違う。主人公のおひめさまは、なんとふたつの城に住んでいる。ひとつ目の城では、母親と義理の父とたくさんの家族と一緒に住み、もうひとつの城では父親と義理の母親(意地悪なまま母とは似ても似つかない)と住んでいる。ふたつの城の間を毎週自転車で行き来するのだが、仕事をリタイアしたドラゴンが耕す小さな野菜畑を自分が走っているとはおひめさまは気づいていなかった。
昔むかし、はるかかなたのある王国に、ひとりの王子がいた。王子は、ある若い娘を窮地から救いだしてくれたとして、魔法使いにほうびをやった。だが、それはすべて真実ではなく、呪いだった。そこで、王子は栄光と復讐を夢見る。だが、魔法使いの魔法はいつも災いを招くとは限らない。娘は魔法のおかげで、彼女を苦しめていた過去……彼女があやめた男の記憶から逃れる。昔むかしあるところに……。 ブックトレーラー https://www.youtube.com/watch?v=1iHEbZGYF6I 。
カキが夜のあいだにカチカチと音をたてるのが耳にとまったことはある? 真珠が殻にぶつかるときにたてるカチカチという音だ。キツツキのコンコンだとか、コオロギのクリッ、クリッのように、そのカチカチという音は、エバにとって夜がふけていくことを意味している。ところがある日、カチカチカチのあとに、ポシャと音がした。
ギリェはいつも笑顔を絶やさない、一見幸せそうな男の子。しかし少し爪でひっかけば、その下に謎が隠れているのがわかる。笑顔を絶やさない内気なギリェは、想像力豊かな本好きの少年。友だちは女の子がひとりだけ。ここまでは平穏な話だ。だが、物静かな仮面の下にはトランプの城のように壊れやすい、謎に満ちた世界が隠されている。経済的に追い詰められた父親、不在の母親、好奇心をそそられた教師、背景にあるパズルを組み立てようとする心理学者。感情、優しさ、空虚さ、発せられなかった言葉、恐ろしい謎が息づく群像小説。
真冬で海岸沿いの村で開いている唯一の店カフェターナーで偶然会った孤独な魂をかかえる4人が、こんな質問をしあう。あなたの家が炎に包まれている、そして、あなたにとって生きがいとなるもの、ひとつしか救い出す時間しかないとしたら? ゲームで始まったこの会話は、彼らの運命を交錯させながら、全く予期しなかった結果を生み、最終的に4人は自分の人生に新たな意味を見出すことになる。トンネルの果てに光を見つけるための、友情と愛の見えない絆についての啓蒙的物語。
知られていないが魅力的なひとりの女性、スペイン人歌手カロリナ・コディナの人生を綴った本。カロリナは、ロシアの天才作曲家セルゲイ・プロコフィエフの妻でありミューズだった。結婚当初、ふたりはアバンギャルドのパリで過ごし、厳選されたインテリや芸術家だけが集うサークルに属していた。しかしプロコフィエフがソビエト連邦への帰国を決めたことで全てが変わる。最高の栄誉で迎えられたふたりだったが、時がたつにつれスターリン体制に苦しめられるようになり、夫婦関係も悪化する。
クリエイティブで革新的な形でアイデアを売りこんだり、コンセプトや製品をプレゼンしたくはないか? クライアントや上司や共同出資者、投資家などに、メッセージで大きなインパクトを与えるには? 複雑なアイデアを伝えなければならないが、どうすればよいのか? 解決するのはイラストだ。本書は、イラストやビジュアルなコンセプトを仕事のツールとして提案する。あらゆる状況に合わせて、創造、理解、コミュニケーションの新しいヒントを与えてくれるイラスト。「絵は描けない」と思うのは間違いだ。