日本市場向けに専門家が選んだスペインの新刊書籍をお届けします。
今回は以下の専門家の方々に選んでいただきました:
野谷文昭(選考委員長:名古屋外国語大学教授・東京大学名誉教授)(以下あいうえお順/敬称略) 白川貴子(翻訳者、獨協大学外国語学部講師)/鈴木亜紀(ミュージシャン)/本庄玲子(フレーベル館・編集者)/八木志朗(柏書房・編集者)
各書籍のレポートを担当したのは以下の方々です(あいうえお順/敬称略、最終選考で選ばれなかった書籍のレポート作成者も含みます)
青砥直子/井原美穂/今木照美/宇野和美/小原京子/國貞雅俊/笠原 未来歩/児玉さやか/佐藤晶子/白川貴子/鈴木亜紀/高際裕哉/德永麻子/轟 志津香/長神末央子/中山 映/宮崎真紀/村田名津子/吉田 恵
エル・ムド(口がきけない男)はアルゼンチン北部の奇妙な村の郊外に、雌犬のインディアと一緒に住んでいる。何年も前に街からやってきて、山の中にあるトラガデロ川畔の謎めいた家に住みついた。 川についての話をし、猿を狩って生き残る方法を教えてくれる店の主人インスアを除いては誰ともつきあわないようにしている。 彼はただ静かに暮らしたいだけだ。だから、こそこそと彼を待ち伏せる村の男の行動が気にいらない。
地中海の起源に関する神話物語。地中海が接する村々のつながり、海岸を抱く架空の都市と、そこにかつて存在していたであろう住民たち、そして今日そこに住む人たちの精神をめぐる軌跡についての寓話。
クマとマーモットは大のなかよし、いつもいっしょに遊んでいる。宝ものを探したり、スターのように歌ったり踊ったりしてごきげんだ。ところがある午後、アヒルを遊びに誘ったと、クマがマーモットに言う。えーっ、それはないよ! だって、マーモットはアヒルが好きじゃない。クマと自分だけの友情をこわすような者は、アヒルだってだれだってお断りだ。そこで、マーモットはアヒルを遊びにこさせないようにしようと決心する。それには何をすればいい? マーモットのひとりよがりの考えからどんな騒動が巻き起こるのか。
1866年のロンドン、ホセ・ロドリゲス=ロサダは何度となく、自分の過去から逃げるはめになる。子どもの時に親元を離れたあと、彼は政治的理由によりフェルナンド7世の絶対王政のスペインからイギリスに亡命する。そして、故郷よりずっと進歩したロンドンという大都会で、未来への希望がうっすらと見えかけてきたとき、時計職人としての不断の情熱とすぐれた腕前をかわれ、世界じゅうが知る時計、ビッグベンの修理という仕事を大急ぎですることになる。しかし、だれも自分の過去から逃れることはできない。
おじいちゃんはひどい病気で、おばあちゃんが面倒をみてる。食事を作ったり、薬をあげたり、お風呂に入れたり、一緒にいてあげたり。おじいちゃんには孫娘がいて、一緒にいるととても楽しい。ふたりは口笛を吹いておばあちゃんをからかったり、秘密を話し合ったり、大笑いしあったりするが、ある日、突然すべてが変わることになる。