日本市場向けに専門家が選んだスペインの新刊書籍をお届けします。
今回は以下の専門家の方々に選んでいただきました(あいうえお順/敬称略)
伊皿子りり子(サウザンブックス編集長) /笈入建志(往来堂書店) /鹿児島有里
(フリーランス編集者) /武田伊智朗(サンマーク出版) / 野谷文昭(名古屋大国語大学教授・東京大学名誉教授)
各書籍のレポートを担当したのは以下の方々です(あいうえお順/敬称略)
青砥直子 / 井原美穂 / 小原京子 / 児玉さやか / 笠原 未来歩 / 佐藤晶子 / 嶋田真美 / 轟 志津香 / 長神末央子 / 中山 映 / 村田名津子 /吉田 恵 / Javier Fernández Sánchez
6歳以上の子ども向け絵本。様々なバージョンのある口承伝説を下敷きにしている。死も人生の一部だということを子どもたちに教えてくれる本。ジャックの母さんは重い病気で、もはや生よりは死のほうに近づいている。浜辺で泣いていたジャックは、母さんを迎えに来た死神と出会う。そこでジャックは死神をだまし、瓶のなかに閉じ込めて素早くふたを閉めることに成功した。それ以来人も動物も、植物も死ななくなる。世界は大混乱に陥り、ジャックは母さんから、死神を外に出すよう諭される。
13歳のナンネル・モーツァルトは、天才作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのお姉さんだ。ヴォルフリ(モーツァルト)はその年ごろのどの子もそうであるように、遊びといたずらが大好きで、大人の世界はよくわからない。パーティは好きだけど、宮廷やお屋敷に招待されるのは好きじゃない。そういうところでは、まるで珍しい生き物のように見られるから。姉さんは弟のことをいちばんよく知っていて、弟が責任と義務感で爆発しそうだと感じると、弟のために素晴らしい世界、リュッケンの魔法の王国を作り出す。
もし親があなたを、友だちからも住む街からも遠い寄宿舎に入れたとしたらどんな気持ちになると思う? そうなったとき、13歳のわたしは、恐れと怒り期待をいっぺんに感じた。カメリアス校の門をくぐったとき、2度と出られない場所に来てしまったような感覚に襲われた。だけどそのあとは、うん、そんなに悪くなかった。ベアやベルトと知り合い、そしてわたしたちはやっかいごとに巻き込まれた。たとえば、寄宿舎で取引しているドラッグの売人を見つけたとか……。アルレーネという最高の友だちができたのも悪くない。